27. イントロ-7 (a視点) ページ27
しまった。
収録に熱中して、気づけば22時前。
あれっきりずっとAを放置してしまっていた。
腹減ったから飯取ってくるわ、と言って音声を切り、急いで部屋を出たがAの姿が見えない。
「A？」
でかけたのか？こんな時間に？まさか帰った？なんて思考が一瞬で巡るが、なんてことない、ただソファの背もたれに隠れて寝ているのが見えなかっただけだった。
安心してソファの足元にしゃがんでなんとなしに垂れた髪に指を通す。
さっきは結ばれていた髪は来たときのように降ろされていて、顔にかかった髪束を耳にかけるとAはピクリと肩を揺らして目を開いた。
「……あろま？」
「よぉ」
「ごめん、寝ちゃった」
「別にいーけど、もう10時になるぞ」
「え！ごめん！ハンバーグすぐ焼くね！」
Aはガバッと音がするような起き上がりを見せて、バタバタと台所へ向かう。
「お前もう食った？」
「うん、自分の分は先にいただきました」
「じゃ、俺まだかかるし風呂入って寝てろ。ベッド使っていいから」
「急に押しかけたのに悪いよ！ソファで平気だから、あろまちゃんとベッドで寝て！」
しばらく押し問答したあと、俺が押し勝ってAにベッドを明け渡した。
言葉で勝つのは10年早い。
そうこうしてるうちに肉が焼け、Aは丁寧に盛り付けて皿を俺に渡した。
「はい、お待たせ。まだやるんでしょ？がんばってね」
――やっぱりちょっと、人妻っぽい。
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せとか(プロフ) - 碧鳴さん» 碧鳴さん前作に引き続き今作も読んでいただきありがとうございます。前作に増して特殊設定ですが楽しんでいただけると幸いです。 (2020年7月10日 13時) (
レス) id: 05c1f5cb14 (このIDを非表示/違反報告)
碧鳴(プロフ) - 新作…！！続き楽しみにしております (2020年7月10日 10時) (レス) id: e2ccf18f81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：せとか | 作成日時：2020年7月8日 18時
