26. イントロ-6 (a視点) ページ26
「あ、あろま、終わったの？」
部屋を出ると、ソファに座ったAがこちらを振り向いた。
来たときはおろしていた髪が後ろで軽く結ばれていて、振り向き際に少し揺れる。
その髪の揺れに合わせて、少し心が動くのを感じた。
きっくんがあんなことを言うから、変に意識してしまう。
「……いや、まだ。もうしばらくやると思う」
「そっか。ご飯食べる？」
Aから目をそらして、台所へ向かう。
時計を見ると、18時を少し回った頃だ。
収録しながらお菓子は食べていたので空腹ではないが、もう少ししたら夕飯が欲しくなる時間ではある。
「今はいいわ、あとでもっかい声かける。てか夕飯何？」
「ハンバーグ！」
「……作ったのか？」
「うん。まだ焼いてないけど」
「へぇ、すげーな」
そんな話をしながら冷蔵庫を開けると、確かに成形された肉が鎮座しているのが見えた。
料理が特別得意だという話は聞いたことなかったが、まぁ年頃の女子だし、人並みにはできるのだろう。
水をコップに注いで、じゃあ楽しみにしてるわ、と言ってまた作業部屋に戻った。
――なんか今の会話、ちょっと夫婦っぽかったな。
そう伝えたらあいつはどんな顔をするだろうか。
もし、俺があのときのAの気持ちに応えていたら。
急いでその考えを振り払う。
この流れは危険だ。
深く息を吐いて、落ち着いてからヘッドホンをつけた。
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せとか(プロフ) - 碧鳴さん» 碧鳴さん前作に引き続き今作も読んでいただきありがとうございます。前作に増して特殊設定ですが楽しんでいただけると幸いです。 (2020年7月10日 13時) (
レス) id: 05c1f5cb14 (このIDを非表示/違反報告)
碧鳴(プロフ) - 新作…！！続き楽しみにしております (2020年7月10日 10時) (レス) id: e2ccf18f81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：せとか | 作成日時：2020年7月8日 18時
