3. 14ねんまえ-3 ページ3
「ねぇねぇ、おにいちゃんはおたんじょうびいつ？」
いつものようにゲームで遊んで貰っていたある日、私はふとあろまお兄ちゃんの誕生日が気になって聞いてみた。
ん？という顔をしてあっさり教えてくれたお兄ちゃんの答えに私は驚くことになる。
「わたしのおたんじょうびのちかく！」
「そうなん？」
私は自分の誕生日を言うと、お兄ちゃんは俺の10日前か、と言った。
「とおか……10にち？」
「そう。よく知ってんな」
あろまお兄ちゃんは、ちょくちょく小さいことで私を褒めてくれていた。
そのことがいつもとっても嬉しくて、うへへ、と笑ってしまう。
「そうしたら、わたしがおたんじょうびになったら、おにいちゃんは10さいじゃなくて9さいトシウエになるんだね」
「でもそっから10日経ったら俺が1個歳とるからまた10歳年上になるぞ」
そっかあ、とつぶやいた。
いくつになってもお兄ちゃんと私の歳が近くなることはないらしい、ということが子供ながらに理解できて少しがっかりした。
私はこんなにお兄ちゃんが好きなのに、お兄ちゃんと同じ歳になることはできないんだ。
せめて、一緒に学校に行けるぐらい大きかったらなあ。
「わたし、おにいちゃんのことだいすき！わたしがおおきくなったらけっこんしてくれる？」
「……お前が結婚できる歳になる頃には俺おっさんだぞ」
「だいじょーぶ！」
元気よく答えた。
私だっていつかは大人になって、そうしたらお兄ちゃんと一緒にいられるんだ、と思っていたのだ。
お兄ちゃんはふぅ、と息を吐いて言葉を続ける。
「まぁ、またでっかくなったらそんとき聞け。俺がまだ結婚してなかったらな」
「うん！！やくそくね！！」
これはもうOKを貰ったも同然だ。
そう確信して、るんるん気分でゲームの続きをせがんだ。
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せとか(プロフ) - 碧鳴さん» 碧鳴さん前作に引き続き今作も読んでいただきありがとうございます。前作に増して特殊設定ですが楽しんでいただけると幸いです。 (2020年7月10日 13時) (
レス) id: 05c1f5cb14 (このIDを非表示/違反報告)
碧鳴(プロフ) - 新作…！！続き楽しみにしております (2020年7月10日 10時) (レス) id: e2ccf18f81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：せとか | 作成日時：2020年7月8日 18時
