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14. 3年前-3 ページ14

どうやって家に帰ったのか覚えていない。

制服にシワがつくのも気にせずにベッドに倒れ込む。

わかっていたことだ。
三度目の正直なんて期待していなかった。

深く息を吐いて、吐いた息とともに涙が溢れる。

若い、まだ子供だと言われる分にはまだ希望があった。
自分もいつかは歳を取って、子供とは言えない年齢になれるだろう。

でも、年齢"差"のことを言われてしまうとどうしようもできない。
私とあろまの年齢が近づくことはないんだ、というのはとっくの昔に理解していたのに。


****

「ひっどい顔」

翌日、学校に行くと友人は開口一番そう告げた。

うう、酷い。
もう少しオブラートに包んでくれてもいいだろ、と思う一方で、自分でも今日の顔のコンディションの悪さは自覚していた。

腫れた目、クマのできた目元、浮腫んだ顔。

もちろん全て、長年想い続けた人への3回目の告白を断られて一晩ポロポロと泣き続けたからだ。
見た目の酷さは自覚できていたが、それを隠すことも億劫でそのままの状態で登校した。

「ほら、メイクしてやるから座りな」
「ありがと……」

ポーチを出す友人の前の席におとなしく座ってされるがままに任せる。
浮腫解消マッサージなのか、顔をグリグリと擦られて気持ちがいい。

「例の年上のお兄ちゃん?」
「うん……いくつになっても駄目だって」

そりゃそうでしょ、と言いながら続けてコンシーラーを手に取る。

「ま、すぐには無理かもしんないけど諦めて学校内とかでもっといい人見つけな。赤崎とかどーよ、修学旅行で同じグループになるぐらいには仲良かったじゃん?」

友人は後半部分は本人に聞かれないよう少し声を落として言った。
名前の挙がった男子生徒の方をちらりと見る。

同じクラスの赤崎は、ほんの少しあろまに似ていた。
小柄で体が細く、メガネをかけていて口から出る言葉は少し乱暴。
だから仲良くしていたと言うわけではないが、まぁ初対面のときのきっかけがそういうところにあったのは事実だし、一緒にいるのはそれなりに落ち着いた。

そのことをこっそり告げると、友人は呆れた顔で、重症だわ、と笑った。

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せとか(プロフ) - 碧鳴さん» 碧鳴さん前作に引き続き今作も読んでいただきありがとうございます。前作に増して特殊設定ですが楽しんでいただけると幸いです。 (2020年7月10日 13時) (レス) id: 05c1f5cb14 (このIDを非表示/違反報告)
碧鳴(プロフ) - 新作…!!続き楽しみにしております (2020年7月10日 10時) (レス) id: e2ccf18f81 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:せとか | 作成日時:2020年7月8日 18時

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