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芽生えた友情   其ノ参拾玖 ページ48

鯉夏の部屋に入るなり、Aの手に何かが渡される。

ゆっくり開くと、前に見せてもらった綺麗な櫛(くし)。

「これは鯉夏さんの・・・。もらえません!」

「いいのよ。Aちゃんが持ってて」

鯉夏はAの手を握った。

「私たちのために、一人で戦ってくれてたのね」

「そんなことないです。私はただ、この街の人を助けたかっただけで、」

途端に、Aは鯉夏に抱きしめられた。

「ありがとう・・・」

「鯉夏さん・・・!泣かないでください!」

Aの言葉に、鯉夏ははっとなった。

「そうね・・・。これじゃあ、別れが悲しくなっちゃう」

顔を上げ、微笑み合う二人。

「離れていても、私たちは繋がっているわ」

「ずっと忘れません。この街での出会い」

鯉夏はAの手を引くと、

「行きましょう!女将さんが待ってるわ」

部屋を出て廊下を駆け出した。


「今まで、ありがとうございました」

戸の前で、女将や遊女たちに頭を下げる。

「Aちゃん、元気でね!」

「手紙書くね!」

握手を交わしながら、Aは荷物を持ち直した。

「では、皆さんお元気で!」


店を出ると、着物を着た鬼殺隊士が待っていた。

「市川さん、宇髄さんがお待ちです」


隊士についていくと、天元が京極屋の女将と交渉していた。

あの金髪の子が、私の代わりかな・・・?

「宇髄さん、」

金髪の子を店に入れると、天元は振り向いた。

「よぉ!帰って来たか!」

「ごめんなさい。須磨さんたちの情報、掴めませんでした」

「いや、お前が無事で良かった。・・・随分派手にやったらしいじゃねえか」

「何でそれを・・・」

「さっき女将からきいた」

「血鬼術にかかったのか・・・。鬼のことが思い出せなくて」

「まあ、よくやってくれたよ」


天元に連れられ、花街の門へ行く。

くぐる前に、Aは振り返った。



相変わらず灯りで輝く街。



ーーありがとう、みんな

  ここで経験したこと、一生忘れないよ



Aは微笑むと、また歩き出した。

たくさんの出会いを胸に秘めて。

お知らせ ※必ずお読みになってください→←目を覚ませば   其ノ参拾捌



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レベ - 占ツクの作品で感動したのこの作品が初めて!錆兎と結衣←(わたしの夢主の名前です)来世とかキメツ学園とかで結ばれますように……!! (2022年11月16日 15時) (レス) @page24 id: ea3111d08d (このIDを非表示/違反報告)
組紐屋の夜桜 - ゆりさん、コメありがとうございます!ぜひ!落ち着いたら見てみますね。 (2022年3月3日 23時) (レス) id: 89f56691f5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり - 組紐屋の夜桜さん、良かったら私の作品を見てみてください。 (2022年2月28日 17時) (レス) @page3 id: b7d6d649b3 (このIDを非表示/違反報告)
組紐屋の夜桜 - ありがとうございます!励みになります! (2021年10月8日 21時) (レス) id: 89f56691f5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり - そうですね😃頑張ってください。応募していますね😃 (2021年10月6日 23時) (レス) @page3 id: b7d6d649b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:組紐屋の夜桜 | 作成日時:2021年8月27日 22時

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