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最終選別     其ノ拾伍 ページ19

Aは山の中をひたすら走っていた。

と、上から何かが降ってきて、とっさに避けた。

「来たな・・・人間!」

その正体は鬼で、舌なめずりをした。

(さっそく・・・!)

Aは刀を抜き、構えた。

「やあ!」

と刀を振り下ろしたが、避けられ、Aは受け身をとった。

(確かに思っていたよりも・・・。でも、鍛錬を耐え抜いてきたから、いける!)

Aは構え直すと、素早く動き、刀を降った。

すると、側に鬼の頸が落ちた。

「さすが日輪刀・・・。すごく切れ味が良い」

「俺が先だ!」

「いや、俺が先にこのガキに目をつけたんだ!」

その時、後ろから鬼が飛んできて、Aは飛び跳ねて避けた。

(一気に二体・・・!倒せるかな・・・)

Aは空中で体制を立て直し、おもいっきり木を蹴った。

「桜の呼吸、伍ノ型。乱れる零桜!」

暗い空の下、桜を舞わせながら左右に斬りつけた。

一瞬にして鬼の頸は落ち、Aは着地した。

「まだ強い鬼はいるのかな・・・。錆兎と義勇は大丈夫かな・・・」

そう考えると、不安になったが、はっと我に返った。

「弱気になっちゃ駄目だ!・・・よし、行こう!」

Aは気を取り直し、鬼を捜して走り出した。



  ー義勇目線ー


義勇の方も、鬼と対峙していた。

しかし、初めて目の当たりにした鬼に、足が震えていた。

「お前が俺の最初の獲物だ!」

鬼が飛びかかり、義勇もはっとなった。

「み、水の呼吸、壱ノ型・・・」

しかし、恐怖で身体が思うように動かず、

「・・・っ!」

気がついた時には左目辺りに傷を負わされていた。

(俺は、ここで・・・!)

近づいてきた鬼に目を瞑ったが、


ーー「水の呼吸、参ノ型。流流舞」


声がきこえ、目を開けると、鬼の頸が落ちていた。

目の間には宍色の髪の少年・・・。

「錆兎・・・!」

「大丈夫か、義勇」

錆兎は振り向き、義勇の手を取って立たせた。

「この怪我じゃ危ない。お前は逃げろ」

義勇が答える間なく、錆兎は近くにいた少年に義勇を渡した。

そして、助けを呼ぶ声の方へ駆けていった。

「錆兎・・・。気をつけろよ・・・!」

錆兎の後ろ姿を見つめ、義勇はつぶやいた。

因縁の鬼     其ノ拾陸→←藤襲山へ     其ノ拾肆



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レベ - 占ツクの作品で感動したのこの作品が初めて!錆兎と結衣←(わたしの夢主の名前です)来世とかキメツ学園とかで結ばれますように……!! (2022年11月16日 15時) (レス) @page24 id: ea3111d08d (このIDを非表示/違反報告)
組紐屋の夜桜 - ゆりさん、コメありがとうございます!ぜひ!落ち着いたら見てみますね。 (2022年3月3日 23時) (レス) id: 89f56691f5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり - 組紐屋の夜桜さん、良かったら私の作品を見てみてください。 (2022年2月28日 17時) (レス) @page3 id: b7d6d649b3 (このIDを非表示/違反報告)
組紐屋の夜桜 - ありがとうございます!励みになります! (2021年10月8日 21時) (レス) id: 89f56691f5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり - そうですね😃頑張ってください。応募していますね😃 (2021年10月6日 23時) (レス) @page3 id: b7d6d649b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:組紐屋の夜桜 | 作成日時:2021年8月27日 22時

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