裏切り小説はなぜ人気なのか

裏切りとナルシズム ページ1

まず言えることは、裏切り小説の作者読者の心理は、
ナルシズムと非常に深く関わっているということです。

　今回扱うナルシズムは一般に使われる『ナルシスト』とは若干異なる、
病的自己愛というものです。



　病的、とついているので、
異常な状態であるのは、なんとなくわかると思います。

　しかし、いわゆる『ナルシスト』とどう違うのかというと、
言葉で説明しても分かりにくいと思います。
そもそも、ナルシズム自体が、説明しづらいです。

　簡単にいうと、ナルシストと言われると、とにかく自分が大好きなうぬぼれや、と言われるのに対し、
病的自己愛は、プライドの高さや、自分を過大評価する、といった状態をさします。

　自分は特別な人間だ、と思ったり、
自分以外の人間は劣っていると思ったり、
自分以外の人間は、自分のために存在すると考えたりするのです。




　ここで、占いツクールにたくさんある裏切り小説の特徴を、振り返ってみましょう。

1.主人公は可愛い、美人
2.主人公はお金持ち
3.主人公は特殊な才能がある(チート最強設定、超能力、IQが高い、芸能人など)
4.主人公は、普通の人とは違う特徴がある(アルビノ、隻眼、オッドアイ、目が見えない、耳が聞こえない、歩けないなど)
5.主人公はモテる(逆ハー)
6.主人公のライバルは不細工で頭が悪い


　お気づきでしょうか？
　ここに書き出した特徴は、作者のナルシズムが反映されているのです。
1〜5は、自分は特別な人間だ、という思いを読み取ることができます。
6は、作中で主人公と比較する劣った人物をつくることで、主人公が、ひいては自分が秀でているということを、証明しようとしていると考えられます。

　また、自分のために他人がある、という思考は、逆ハー設定などから読み取れます。
　


　そして、こういったナルシズムを持つ人の心理には、他にも特徴があります。

　極端な考え方、物の捉え方をすることです。

これについては、次回書こうとおもいます。

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