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それから No7 ページ30

どれぐらいの間そうしていたのかわからない。

だけどそう時間は経っていないだろう。

俺は目元を擦り、改めて周りを見渡す。

『全部…なくなったなぁ。

 全部、綺麗になった……。』

昔の俺なら大喜びするぐらいの出来事だと思う。

けれど今の俺にとっては後悔しかない。

もっと、苦労をわかってあげられたら…。


『悔やんでも仕方がない。過去には戻れないんだから。』

痛む心を抑えて、家があった場所を周り歩く。


『綺麗に咲いてたなぁ、この桜。』

今となっては根元だけの桜の木。

『この辺で花とか育ててたよな。』

種が散らばっている地面。

『あー、この木に登って一回降りれなくなったわw』

葉っぱだけ燃えてしまい、何もつけていない百日紅の木。


何だ、意外に思い出あったじゃん。

何もないと思ってたのに。


寂しい…



カツンッ

靴が金属のようなものに当たる。

ふらふらと歩いていたら物置まで来ていた。

音が聞こえた下を見れば、金属でできた蓋のようなものがあった。

『地下への、扉…。』

嫌でも覚えている地下への扉。

火によって少し黒くなっているがまだ丈夫そうだ。

俺みたいなのが逃げ出さないためか…?

まぁ、ここには行きたくないから。

関係のないことだ。




なのにー


「……て、助け………」



なんで人の声が聞こえるんだよ。


いや、どうせ気のせいだ。

こんなところにいるなんて、よっぽどのバカしかいかない。

よっぽどのバカでも行かなそうだけどな。

地下への扉の前で耳を澄ましていると、やはりこの中から声が聞こえる。

でも、行きたくはない。

確信もつかめないんだから…。行く必要は、


「……ぁきゃぁ、ああぁ……!!!」



あるな。


『…くそが!』

地下への扉を開けて中へと入っていった。


『…ガキがこんなところに入るんじゃねぇよ!!』


自分のような思いはしてほしくないんだ。

そんな思いが体を動かしたんだろうな。



『…ぜってー助けてやる。』





.

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イリアン(プロフ) - whiteさん» コメントありがとうございます!!! そうですよね!?BLは世界を救いますよね〜 応援ありがとうございます! (2022年5月30日 19時) (レス) id: ff479e4214 (このIDを非表示/違反報告)
white - いやー、やっぱりBLいいですよね〜!応援しています〜 (2022年5月30日 18時) (レス) @page23 id: da6decb7c8 (このIDを非表示/違反報告)
イリアン - 黒夢さん» コメントありがとうございます!!!最高でしたか!?よかったです!!男主くんとキャラの絡みも増やしていくので、更新がんばります! (2022年3月27日 17時) (レス) id: 5653d48aec (このIDを非表示/違反報告)
黒夢 - 続きが気になりすぎます…!すごく物語も面白いし、最高です‼︎続き楽しみにしてます! (2022年3月27日 13時) (レス) @page42 id: 7296c8074e (このIDを非表示/違反報告)
イリアン - らいむさん» コメントありがとうございます!!! 本当に励みになります!!今日も1話程度更新するので、ぜひっ!! (2022年3月15日 19時) (レス) id: 5653d48aec (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:裏月 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Uraduki4171/  
作成日時:2022年3月10日 18時

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