それから No1 ページ24
『……!』
目を覚ませば木で作られた天井が広がっていた。
ここは…?
体を起こそうとするが全体に激痛が走る。
『っ!!』
?「起きたの。」
ベットがきしむ音で気がついたのか、同室に居たであろう女性が顔をのぞきこむ。
?「まだ起きちゃダメよ。
私は医者の空裏 蒼 (くうり あおい)。よろしくね。」
そう言うと空裏さんは微笑んだ。
空「ところであなた、口元にタトゥーでもやったの?
怪我じゃなかったから特に何もしてはいないけど。」
そうだった。
僕は棘くんに口づけして、呪印を残したままだ。
まずいなぁ。めんどくさいことにならなければいいけど。
『……』
僕が頭を捻ってどう説明しようか迷っていると、空裏さんは気を効かせてくれた。
空「どんな事情かはわからないけど、あなたは喋れないのね。
痛くないなら治療は必要ないけどどうする? 治療する?」
呪印は一応隠した方がいいよな。
なら治療みたいな感じで包帯でももらおう。
僕は静かに頷いた。
空「そういえばあなたの他にもう一人いたわ。
友達?」
棘くんのことだ。
空「そう、友達なのね。
あの子も大丈夫よ。ちゃんと治療したから。
本当、びっくりしたわ。
近くで大きな揺れがあったから見に行けば、人が倒れてるじゃない。
事情は言いたくなさそうな雰囲気出してるから聞かないけど。」
この人はすごく優しい。
隠し事ばかりしてしまっているのに、気にしないでくれている。
治療もしてもらって…感謝ばかりだ。
空「さて、突然で申し訳ないんだけど私はこれからふもとの村に降りる。
だから君はここでゆっくりしてくれ。」
ふもと…。
近くで崩れた音が聞こえたというのなら綾峰家とは近いんだな。
つまりはここはかなり山の中。
空「じゃあ、けして動くんじゃないよ。
今回目が覚めたのは本当に奇跡のようなものだからな。」
そう言って空裏さんは家を出ていった。
『…ふぅ。』
ベット脇にあった小窓から空裏さんが離れたことを確認して
僕は一息ついた。
空裏さんは奇跡だとか言っていたけれど、それは一般人としての基準だ。
呪術師やってればこのぐらいどうってことない。
っていうのは半分冗談。
わりかし体痛い。
さて、この呪印をとって空裏さんには悪いけど
今日中に家を出ます!!
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イリアン(プロフ) - whiteさん» コメントありがとうございます!!! そうですよね!?BLは世界を救いますよね〜 応援ありがとうございます! (2022年5月30日 19時) (レス) id: ff479e4214 (このIDを非表示/違反報告)
white - いやー、やっぱりBLいいですよね〜!応援しています〜 (2022年5月30日 18時) (レス) @page23 id: da6decb7c8 (このIDを非表示/違反報告)
イリアン - 黒夢さん» コメントありがとうございます!!!最高でしたか!?よかったです!!男主くんとキャラの絡みも増やしていくので、更新がんばります! (2022年3月27日 17時) (レス) id: 5653d48aec (このIDを非表示/違反報告)
黒夢 - 続きが気になりすぎます…!すごく物語も面白いし、最高です‼︎続き楽しみにしてます! (2022年3月27日 13時) (レス) @page42 id: 7296c8074e (このIDを非表示/違反報告)
イリアン - らいむさん» コメントありがとうございます!!! 本当に励みになります!!今日も1話程度更新するので、ぜひっ!! (2022年3月15日 19時) (レス) id: 5653d48aec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:裏月 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Uraduki4171/
作成日時:2022年3月10日 18時