可愛い後輩 kid ページ5
「せんぱい…先輩、せんぱーい。起きてください。」
意識の遠くから聞こえてくる誰かの声。
普段なら気がつかないけど、あの子の声だけは熟睡していても耳の奥に声が届いてくる。
甲「ん……、あれ、なんでAちゃんがここに……?」
「もう下校時間すぎてますよ。早く帰る支度してください先輩。」
テキパキと荷物を持ってきてくれる彼女。
その後ろ姿をボーっと見ながら、友達から言われたことを思い出す。
弦「甲斐田ってあの子にだけはいつも通りだよね」
甲「あの子?」
長「ほら、最近入った子。青瀬Aちゃんだっけ?」
言われてみれば確かにそうかもしれない。
ろふまおに僕が加入して、それから先輩たちのおかげ色んな事を出来るようになったけど、本当の自分を見てもらえないような気がしてた。
でも、Aちゃんはそんな外側だけじゃなくて、飾らない目で真っ直ぐに僕を見てくれる。
「…先輩?まだ寝ぼけてるんですか。」
甲「うおっ!?いつの間にそばにいたの?」
「逆に気づかない甲斐田先輩にびっくりなんですが…お疲れならなおさら早く帰って休んでくださいね。じゃないとお三方に怒られますよ〜」
甲「それは嫌だなぁ……」
少しいたずらっぽく言う姿も、ぶっきらぼうだけどその奥にある優しさも、その全てにいつの間にか頼っちゃうなんて。
こんなの先輩失格だよな。
「あ、あと……甲斐田先輩の研究はどれも面白くて勉強になるので、また今度教えてください。それに甲斐田先輩がいないと寂しいので。」
甲「え…?それって、どういう意味?」
「え、そのままの意味ですけど…」
きっと彼女には伝わってないんだろうな。
僕が今勝手に期待した意味。
でもそのままの君が、僕に元気をくれる。
だからありのままで、ずっと僕と一緒にいてくれたら…なんてね。
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sakana(プロフ) - もあ #相方:きらりちゃんさん» ご指摘ありがとうございます!編集の際に外しましたのでこれで大丈夫かと思います。また何かありましたらお知らせください。 (1月3日 22時) (レス) id: 759ff26996 (このIDを非表示/違反報告)
もあ #相方:きらりちゃん(プロフ) - オリ.フラ立っちゃってます💦 (1月3日 15時) (レス) @page1 id: 0400dd42f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:sakana | 作成日時:2024年1月1日 14時