【rfmo】貴女とお近づきになりたい。2

通学路 kgm ページ2

鳴り響く目覚ましの音。
いつも通り起きて、ご飯を作って食べて、制服に袖を通す。
見慣れた通学路。桜が散って青葉が空に映えてる。もうすぐ夏かな。



加「おはようございます。青瀬さん」


「あっ、加賀美さんおはようございます」



大きな会社の次期社長候補なのに、私と同じく毎日朝早く学校に通う加賀美さん。
聞けば”次期社長たるもの、その地位に胡坐をかいていたら示しがつかない”ということらしい。



「でもほぼ毎日会うなんて奇遇ですよね。わざわざ私に声をかけてくれるのはありがたいんですけど…」


加「えっ あっそうですね！でもわたくしは青瀬さんと二人でお話するこの数十分がとても好きなんです。まだ早いので人も少ないですし、ゆっくりできますから。」



うわぁ…朝の新鮮な空気、澄んだ空、そして社長の爽やかすぎる笑顔。
あれ、なんか後光まで差してきたような……



加「そういえば今日はろふまお塾の収録がありますね。」


「そういえばそうでしたね。重大発表回からそんなに経ってないはずなのに、なんだかずっと昔のことみたいな感覚です」


加「あの時の青瀬さんとても緊張してましたもんね。でもその後の初配信はすごく良かったですよ？」


「あれはまぁ、勢いとかもありましたし…」


加「コラボのお誘い、ぜひお待ちしてます♪」



整ったお顔を少しイタズラっぽく笑う仕草は少年みたいで、可愛いな、なんて思ったり思わなかったり。
どんな時だっていつも支えてくれる。すごく頼りになる先輩。



「話しているうちに着いちゃいましたね。じゃあ私はこっちなので。また収録の時によろしくお願いします」


加「はい。よろしくお願いしますね」

















青瀬さんの後ろ姿を見送って、自分の教室の方向に向かう。



「あっぶな……、バレてなかったですよね」



毎朝、君と話すあの時間は、実はもっと近づくためだってこと。



私を次期社長じゃなくて、加賀美ハヤトとして真っ直ぐに向き合ってくれる人。



まだ知り合って間もないけど、他の人とは違う君を、もっと知りたいんだ。

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