先輩とマネージャー (ページ22)

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帰り道 2 ページ22

先輩とはその後も私の歩調に合わせて、自転車を押しながら隣を歩いてくれた。

隣に並ぶとなんかちょっとか恥ずかしく気まずい。

そして、ふと気づく。

『夕陽綺麗…』

JS「ん？。ほんとだ。めっちゃ綺麗。公園、寄ってく？」

『行きましょ行きましょ』

そして私と先輩は住宅街にある公園に足を運んだ。

先輩は自転車を止めてブランコに座る。

私も隣に座る。

しばらく沈黙が続く。

JS「俺、誰とも付き合わないって噂があるだろ？」

先輩が口を開く。

『はい、聞きました』

JS「皆可愛くないからとか、性格がわからないから。とかで振ってるわけじゃないんだ。俺んち、母親いなくてさ。俺が小さい時男作ってどっか行ったんだ。自分が付き合った女の子も自分から手放していつかほかの所に行くんじゃないかって思うと、心配で付き合えないんだ。普通の家庭から見たら異常なのかな？って思う時もある。けど俺には3つ下の妹と父さんもいるし。今はそれで充分なんだ」

先輩は話したくないと思うのにわざわざ私に言ってくれた。

『そんな深刻な話、私にしていいんですか？』

JS「Aちゃんなら、いいんだ。なんか俺の妹とAちゃんが似てて可愛いんだ。(笑) 何事にも一生懸命で、でも周りのことは人一倍見てる。俺の妹今中3でさ、ちょっとませてるんだよな。(笑) 気難しいお年頃ってやつ？(笑)」

『はは(笑) ませてて可愛い年頃ですね(笑)。私みんなのために何か出来れば嬉しいんです。部員が帰ってきた時に綺麗にいいきもたいい気持ちかなって思って部室掃除したり。自分では楽しいからいいんです(笑)』

私も自分のこと言おうかな。

先輩はニコニコしてる。

『自分も、幼い頃から両親がいません。もともと父と母は喧嘩が多い夫婦でした。私が5歳ぐらいの時、父が一方的に離婚届けを出して出ていったんです。母もそれがストレスで、何も食べなかったり眠れなかったりで、自ら命を絶ってしまいました。私を置いて。』

先輩の顔は険しくて、真剣そのものの表情で聞いてくれた。

自分でもなんでか知らないけど勝手に涙が出てきた。

もう思い出したくもなかった。

『けど私にはお婆ちゃんがいます。両親がいなくなってから今でもずっと一緒に居てくれます。優しくて正義感があって、1番信頼してて大好きな人です』

涙が止まらない。

気づくと私は先輩の胸の中で泣いてた。