五条悟と気ままな器の少女は最強(虎杖悠仁成り代わり) (ページ20)

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『…こういうさ、呪いの被害って結構あるの?』

五条の問いかけに答えず、Aは聞いた

悟｢今回は、かなり特殊なケースだけど、被害の規模だけで言ったらザラにあるかな｣

五条は頬杖をつきながら、その長い足を組み直し話はじめた

悟｢呪いに遭遇し普通に死ねたら御の字
ぐちゃぐちゃにされても、死体が見つかればまだマシってもんだ｣

『…』

悟｢宿儺の捜索をするとなれば凄惨な現場を見ることもあるだろうし、君がそうならないとは言ってあげられない｣

暗い顔をするAに五条は軽く言った

悟｢ま、好きな地獄を選んでよ」

額から血を流す伏黒
包帯に巻かれ目覚めない井口先輩
泣きじゃくる佐々木先輩

それぞれの顔が浮かんだ

(オマエは優しく強いから人を助けろ)

呪いのような遺言を残して逝った祖父

『オマエは優しく強いから人を助けろか…』

悟｢……｣

『ほんと…最後まで…』

Aは祖父の写真を見つめた

『宿儺が全部消えれば、呪いに殺される人も少しは減るのかな』

焼かれた骨を拾いながら問いかけた

悟｢勿論｣
『あの指、まだある?』
悟｢ん｣

そう問いかけるAの目を見て、五条はポケットから宿儺の指を取りだした

『改めて見ると気色悪い…』

それを受け取り改めて指を眺め
Aは一つ息を吐くと口を開けて、ゴクンと五条の目の前で指を放り込んだ

悟(さて2本目…1/10か…
どうなる?)

ズンッと圧が増し、Aの顔全体にあの模様が浮かび上がる
見開いた目の瞳孔は開き居心地が悪そうに首が動いた

『うっ…』

五条は苦しむ彼女の様子をみて手を構えた

『クッ、ククッ』

食いしばった歯の隙間から笑い声が捻り出された

『まっっっずい!!』

なにがあってもいいように臨戦態勢をとっていた五条は、げほごほと咳き込むAに歯を見せて笑った

『お爺ちゃん!!供え物だけど食べるね!!』

悟(確定だね
肉体の耐性だけじゃない
宿儺相手に難なく自我を保てる

千年、生まれてこなかった逸材)

五条は供え物を食べるAを見つめながらも、自身の体の内側から湧く高揚感が押さえれなかった

『どうしたの?』
悟｢いや、なんでもない｣

笑いを噛み殺すような表情の五条に首を傾げた

悟｢覚悟はできたってことでいいのかな?｣

Aはポケットに両手を突っ込んだ
口を曲げ暫く黙っていたが、やがて肩をすくめた

『…全然
なんでアタシが死刑なんだって思ってるよ
でも…呪いは放っとけない』

脳裏にお爺ちゃんの笑う顔が過った