"REASON"2

ついにでびゅー笑(3/13 訂正) ページ32

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あれは金曜の夜だったかな。
7月下旬、勇人も私も珍しく早く帰ってきて家で団欒していたら、携帯を私に差し出して「インスタを始めようかな」とのこと。

私もプライベート用のアカウントと社用のアカウントの二つ持ち。社用ののフォロー中はゼロ。フォロワーはまあありがたいことに150万人ほど。



「なんでいきなり？」

「いや、結構前やけど和真も始めたから？」

「ふーん」



ひとまずアカウントを作って、勇人の方に画面を見せてやる。
名前は？ユーザーネームは？アイコンは？プロフィール欄は？って。

ユザネ、名前と背番号を組み合わせようとしていたら、
もうファンの人のアカウントで使われていたから仕方なくドットを入れてみたり。



できた！ってなったらいきなり投稿は？とか言い出す。インスタグラマーの鏡じゃないんだからさ。



「んー、まぁ、俺でいっか。」


とか言いながらフォルダからぽちぽち何枚かスムーズに選んでいく。ちょっと待って今岡本くんの写真入ったでしょ？笑

フォルダの中身もチラチラ見えるけど、選手との仲良さげな写真はまだいい。私とご飯に行った時に撮ってくれる写真もまだいい。
でも許せない。寝顔が何枚もスクロールしたら出てくる出てくる！！！喧嘩したら勝手に消してやるんだからね。


言いたい言葉を飲み込んで横で見てたらついに文字入力画面。


「何書くもん？」

「Instagram始めました！みたいな？」

「いやあかんな、それではあかん。」


何があかんねん。と言いたいところだけど勇人さん本気で熟考。その間にコーヒーを入れに行く私。


ドリッパーを取り出していたら、出来た！と歓喜の坂本。
ほう、とキッチンに置いていた携帯を見てみると#俺。
岡本くんは俺じゃないでしょ。




「Aもフォローしてーやー」

「えー、第一号は炎上するでしょ。やだよー」



インスタの通知欄に表示されてる
"hayato.sakamoto6さんがあなたをフォローしました。"の文字。
確認してみたら坂本勇人インスタフォロー中第一号。死ぬってオタク！いいの！？って感じ。
後輩や先輩コーチ陣フォローいけよ！！！



あーあ。明日職場のみんなやネットが騒いでももう知らない。て言うか私はフォロバしない絶対。プラベ垢でこっそりフォローしておくくらいがきっとちょうどいいのよ。




予想的中、翌日ネットを騒がせることになるフォロー中の欄にはもう目を向けず、勇人が取り寄せてくれたブルーマウンテンの心地よい匂いに目を閉じた。




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