"REASON"

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あゆに電話出ておいでって言ってもらって急遽店外へ。



「…もしもし、俺です。」



低くて落ち着いた声のはずなのにどこか浮ついている坂本の姿が浮かんで思わず口角が上がりそうになる。危ない。



「坂本様、今日は試合お疲れ様でした！ホームラン感動しましたよ」


当たり障りない内容を選んで、野球に口出しされたくない坂本の気分を害さないように。


気をつけつつも、やはり推しからの電話は嬉しいのか、浮ついているのはどちらだと言う雰囲気が受話器越しに流れている。




「えー、うん、今日一緒に会った女の子、あゆちゃんやっけ。と一緒にでええからさ…店とか関係なくメシ行かん？もちろん他の人も誘うし」



ごもごも、詰まりながら、ご飯をどうだとお誘いの坂本勇人さん。今日仕事も入ってないし、完全オフだからいいんだけど…



「お食事…ですか？あゆに聞いてみるので繋いだまま待っててください。」



店内に戻って出てってのがめんどくさくて、中でカメラのデータかき出しをしているあゆに急いでLINE。



"坂本がご飯いこって。あゆちゃんも一緒にだって"


"行かないわけない。亀井さん来る？もちろん眺めるだけでいいんです向こう既婚者だしさ。"


"聞くわ"





「…ちなみになんですけども、どなたをお呼びになるとかは…？」


「んーちょいまって。あ…長さん！ご飯行きましょ！友達の友達も来るんですけど！！」




絶対何も関係ない長野さんが今、坂本によってとっ捕まえられて私たちの元へと送られてくるのが容易に想像がついた。まじか。

さっきドームで生き別れた凛(my hero#7 長野久義🐶のbioでお馴染みG党女子)じゃないか。
今度お土産話にしてあげよう。




お相手を報告すべく携帯にそっとイヤホンを刺して、あゆにLINEしながら坂本とも通話を続ける。もうお水の営業って即バレしそうな技でやる時ちょっとだけ自己嫌悪。




あゆ長野!?全然いいよ亀井さん三塁コンバートのきっかけになりかけたとかいま別に全く気にしてない^ ^!


気にしとるやんけ。


次回、まさかの推しこと巨人・坂本勇人と長野久義withあゆと私のご飯会。



あゆと私は今日が命日なのでしょうか。と言うまで後4時間。





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