"REASON"

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昔のことを少し思い出しながらウトウトしてたら横のあゆが帰ってこいって手をぱちぱち叩いてくれる。


「ごめん、飛びそうだった」

「…体調悪い？なんか顔色悪いよ、熱ある？」


こそこそ話を心がけるけどやっぱり声は出てしまうもので。周りもそれに釣られて話し出す。講義崩壊すぎる。



「…テスト課題だけ取ればいける？次と次欠ってもいい？」

「体調優先じゃんバカ。帰りな。」


次のチャイムで、って付け足して笑えばほんと心配なんだからね、ってあゆが眉間に皺を寄せた。「ちゃんと車で帰らず電車で帰りなよ。事故られたら困る」って私より早口で付け足された。敵わない。

講義中なのにそのあと何回もくしゃみしてしまってめちゃくちゃ視線をうけて。教授、すみませんでした。




「ひー、、しぬ。とりま駅の薬局行こう」


鼻をズビズビ、足元はふらふら。なんとか駅についてツルハドラッグへgo。パブロンでいいか。頭がぐらぐら揺れて階段じゃなくてエレベーターでホームに向かってしまった。


いつも通り一番線から発車する電車に乗って、いつも通り飯田橋で乗り換えて。熱出てても余裕で帰れるじゃんわたし。南北線にいつも通り乗り換えて後楽園へ、、ん……後楽園？2番出口。間違えた。どうしよう。とりあえず歩こう、



ぼーっとした頭で歩いて気づけば東京ドーム。家かよ。
大学サボってドームとか、、末期なジャイアンツファンで泣きたい。ドームをぐるっと一周でもするか。で、ボールパークストアちらっと行ってグッズ見てタクシー呼んで帰ろう。


取り敢えず、ボールパークストアを、、と歩いていても駐車場。選手出待ちじゃないんだからホント。自分やばいな、と思いながら踵を返そうとすればふらつく体。中学以来じゃん受け身なんてとか思って。



「大丈夫ですか？！」

「……は？ドラ1、？」

「ドラ1です！！！」

「…あ、すみません、ありがとうございます、ユニも持ってます応援してます、」



ワンセットでありがとうございます応援してますが出るオタク。ヤバい。菅野智之に助けられるジャイアンツファン。一生物の経験じゃないの。


「え、あ…ありがとうございます。そうじゃなくて、誰か待ってるんですか？体調も悪そうですし、話つくならその人に来て貰えばいいんですけど、もしないなら警備員さんに体調不良って呼びますけど、」



大ピンチ！！！！！！！
咄嗟に坂本の顔が浮かんだ自分、最低だと思う。







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