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第七十一話「やまない雨」 ページ22

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「何処に行った……!?」




ザァァッと雨が降る浜辺。



そこには、黒い傘をさした太宰が半ば焦りながら少女を探していた。




「こんな日に一人で普通、何処か行く?風邪引く気?……帰ったらたっぷりお説教してやる」




太宰はブツブツと独り言を云いながら浜辺を歩く。


視線の先に何かが見えた。


目を凝らしてゆっくりと近付く。




「……これっ……て……」




太宰は駆け寄りそれを拾い上げる。



それは太宰がAにあげた靴だった。




太宰は考えたくもない可能性が浮かんだ。




波が荒れた海を呆然と見つめる。




「……真逆……A」




トサッと傘が落ちる。



それでも雨は止まなかった。









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作者名:らしろ | 作成日時:2020年8月10日 1時

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