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第十二話「莫迦だった」 ページ12

△月&日
尾崎さんに注意された。
だから尾崎さんにこの写真を首領に見せるよって脅したら
悔しそうに謝ってきた。
まぁ、私がこの写真を見せようが見せまいが首領は完全に気付いてる。
本当にいい気味ね、私をおちょくった罰だと思えばいいわ!




『……殴り飛ばしたい』




“この写真”とは紅葉と紅葉が想いを寄せていた男性の逢引の写真。




『……最低、信じられない』




此奴、人の愛ある言葉を裏切るような真似をして……

そうか、こういう行動を尾崎さんの部下達は知っている。



この子に成り代わった初日。
昇降機前で話しかけた黒服は尾崎さんの部下だったのかもしれない。




『成る程、やっと繋がった』




それにしても私だった人は最低だ。


この日記帳を読む限り悪女だった事が伺える。




『……さながら悪役というところか』




……残念ながら私は悪女でも悪役でもない。

ごくごく普通の高校生だ。




『……あ』




太宰の隠し撮りの写真を破いていた時だ。

漸く思い出した。




『……地下』




あれから二十分は経っている。


流石に居ないだろう。

あの言葉は冗談だろう。




……そう思っていた私が莫迦でした。









「遅い」



『……す、済みません?』




居た、居やがった。

拙いな、本当に殺される。

太宰がゆっくりと近づいて来てしゃがむ。




『え?あの……私は』




カシャンッと音がして下を見ると足に拘束器具が付けられる。




『……え』



「折角、拷問器具を持ってきたんだから感謝してよ」



『 ゴ ウ モ ン キ グ 』




それ敵に遣うやつだよ?

あ、そうか。

太宰にとって私は敵か。




「ほら手を出して」



『……な、何で?』



「手も拘束して拷問するから」




逃げた、思いっきり逃げようとした。

しかし足の鎖が思ったより短くて、すっ転ぶ。




『じょ、冗談ですよね?こ、殺すなんて物騒なこと』



「僕は至って本気だけど?」




頸を掴まれて地面に押さえ付けられる。

てか太宰よ!昨日まで腕を怪我してたよね?

何でギプス外れてんの!?




「ほら、命乞いでもしたら?」




こんな状態で命乞いなどするもんか!


本当に以前の私を怨む。




「何?黙り?面白くないなぁ」




太宰は頸を押さえていない方の手で何かを持つ。

きっと拷問器具。

それ以外に何がある??




『……うっ、ぐっ』



「じゃあ────手始めに」




太宰の目が妖しく光った。


.

第十三話「もうやだ帰りたい」→←第十一話「土下座でも土下寝でも」



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作者名:らしろ | 作成日時:2020年7月20日 0時

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