第六十話【黒いリムジン】 ページ14
『ふはははははっ！！最高だ！最高すぎて笑いが止まらないよ！？ははははははっ！』
格闘ゲェム､リズムゲェム､パズルゲェム､ボードゲェム､クレーンゲゲェムなど全てのゲェムをコンプリートした｡
しかもクレーンゲェムでは太宰君が大量に人形を取ってくれて､店員さんからもう帰れと云わんばかりの視線を向けられるほどの景品を手に入れた｡
『太宰君！最後に！太鼓しよ！』
｢ふふふっ､勿論｣
終始､太宰君は私に振り回されっぱなしだったが彼は嫌な顔一つしないで嬉しそうに私に付いてくる｡
『太宰君ってば鼻歌のセンスは皆無だけどリズム感はあるね！』
｢褒めてるのそれ｣
ドコドコドコッ！！と超絶早いスピードで素晴らしいリズムを奏で太鼓を叩く｡
周りに野次馬が集まり携帯で撮影をしようとした人がいたから一曲だけやってそそくさと外へ出る｡
『はぁ楽しぃ〜』
こんなに私の趣味に付き合ってくれるのは太宰君くらいだ｡
私は大量の人形を抱き締めて彼にお礼を云う｡
｢どういたしまして､私も楽しかったよ｣
『よければ太宰君の趣味にも付き合うよ』
｢本当かい！？ならば｣
『勿論､自 殺以外でね』
そう云うと彼は心底ガッカリした顔をする｡
他に趣味がないか聞くが自 殺以外は無いらしい｡
『太宰君って普段､仕事と自 殺しかしてないの？』
｢慥かに考えてみればそうだね｣
『うわぁ､もっと遊びなよ〜』
｢ふふ､君は遊び過ぎだよ｣
『だって遊べるうちに遊んでおかないと！いつ……』
……いつ､またあの地獄に戻るか判らないのだから｡
そう声には出さなかったが太宰君は察してくれたらしい｡
そうだね､と呟いて私の肩に手を回して歩く｡
｢荷物を置こうか､このままじゃあ遊ぶ時に邪魔になる｣
太宰君が指をさした方には黒いリムジンが一台停まっていた｡
『大丈夫だよ､このくらい』
｢荷物を置かないと君の両手が塞がってしまう｡
即ち､私と手を繋いで歩くことが出来ないんだよ？｣
『ふふっ､何それ』
そんな事を云われたら荷物を置かないわけにはいかない｡
リムジンに近付いてふと疑問に思う｡
……彼はいつ､この車を呼んだのだろうか？
｢……ごめんね､A｣
気付いた時にはもう既に遅かった｡
車のドアが開いて中から手が伸びてきた｡
驚いて異能を遣おうとしたが太宰君が触れている為､異能が発動出来なかった｡
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らしろ(プロフ) - よ だ かさん» コメントありがとうございます。更新楽しみにして下さりありがとうございます！これからも頑張ります。 (2020年5月31日 13時) (
レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
よ だ か(プロフ) - 続編おめでとうございます!! これからも更新を楽しみに待ってます！ (2020年5月31日 13時) (レス) id: c6fcdfc168 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らしろ | 作成日時：2020年5月31日 11時
