第四十八話【まだ子供】 ページ2
マフィアの黒蜥蜴が探偵社襲撃後
敦君は乱歩君と事件解決の為に現場に行くらしい｡
『はい！』
｢何だ､中里｣
『私も敦君の先輩として一緒に行きたいです｡断じて面白そうとかでなく､心配だから！』
｢駄目だ｡お前は掃除を手伝え｣
『何でー！？私のお蔭で被害が抑えられたのに！？』
｢……はぁ､織田｣
国木田君は溜息を吐いて織田作を呼んだ｡
もしかして私の代わりに織田作が掃除を……
｢済まんが､乱歩さん達と一緒に行ってくれないか｣
｢判った｣
『何で！？』
私じゃなくて織田作！？
酷いよ国木田君！
『私が行きたいよ！』
｢心配なら織田が行けばいい｣
『わーん､行きたーい！』
｢事件を解決したいだけだろ｣
国木田君に痛いところ突かれて顔を顰める｡
私が駄々を捏ねている間に三人は行ってしまった｡
『……国木田くーん』
｢口じゃなく手を動かせ｣
『明日私､休みなんだけどさぁ』
『夜更かしして騒ぐなよ』
うわバレた｡
そうなのだ｡次の日が休みの時､私はゲェムを一晩中やり一人で盛り上がるから軽く近所迷惑になるのだ｡
『今夜もテンション上がっちゃってちょっと五月蝿いかも』
｢やめろ！飛び回る音がして眠れん！｣
『え､でも賢治君や谷崎君達は何も云って来ないよ？』
｢お前に気を遣っているからだ！｣
箒を振りかざす国木田君に楽しそうに逃げる私｡
それを微笑ましそうに見ている社員さん｡
｢何やってるンだい｣
『晶ちゃーん！』
晶ちゃんこと与謝野晶子が不思議そうに此方へ来る｡
私は晶ちゃんの後ろに隠れた｡
｢A､また何か国木田に悪戯したのかい｣
『悪戯はしてないよ､まだ』
｢そんな幼稚な真似をするな｣
『私はもう子供じゃないんだけど』
｢おや？子供じゃないのかい｣
『もう十九ですー！』
頬を膨らますと二人は少し呆れながら十九も子供だと笑う｡
『あと一年経てばお酒飲める大人になるから！』
｢酒が飲めるようになったら大人って事になるのかい？｣
『そう！』
｢いや､目の前の仕事を熟す事が出来るのが大人だろう｣
『え〜』
不貞腐れていると二人揃って､“そういうところだ”と云った｡
｢ほら手を動かせ､掃除をするぞ｣
『わーん､晶ちゃん〜』
｢妾は備品の買い出しに行ってくるよ｣
『私も』
駄目だと国木田君に怒られて箒を渡されたのだった｡
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らしろ(プロフ) - よ だ かさん» コメントありがとうございます。更新楽しみにして下さりありがとうございます！これからも頑張ります。 (2020年5月31日 13時) (
レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
よ だ か(プロフ) - 続編おめでとうございます!! これからも更新を楽しみに待ってます！ (2020年5月31日 13時) (レス) id: c6fcdfc168 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らしろ | 作成日時：2020年5月31日 11時
