第八十九話『文トイウ少女』 ページ9
『芥川A、一生の不覚』
?「なんやお姉さんもヘタレなんやな」
『……その口を縫いたい』
?「止めろ、文。其奴を怒らせたら凶暴化するぞ」
『……国木田、この件が済んだら路地裏へ来い。相手をしてやる』
文「なんや、矢っ張り国木田が一番ヘタレやなぁ」
国「……何故、何故こうなった!」
そう、そうなのだ。何故こうなってしまったのか……
それは数十分前に遡る───
今日はいつもより暖かい日だった
墓参りに行った帰り道
少し遠出をしようかと電車に乗ったのだ
……これが一つ目の間違い
そして、なにぶん暖かった為、つい白い外套を脱いで膝の上に置いた
……これが二つ目の間違い
電車でうたた寝をしていたら国木田に気付かれた
そして何故か其奴は電車に乗ったのにも関わらず扉が閉まる直前に私の腕を掴んで飛び出した
しかも急だった所為で膝の上にあった外套が落ち、電車内に置いてきてしまった
……これは誰が見ても国木田が悪い
まぁ、そのお蔭でトランクに入っていた爆弾は国木田が外にぶん投げたので誰も怪我をせずに片付けることが出来た
────が
『僕も付いて来いだと?貴様、何様だ』
文「ウチは幸田文っていうんや!貴様やない!」
完璧に巻き込まれた
爆弾魔探しに手伝って欲しいと少女もとい、幸田文に云われた
勿論、厭に決まっている
『やつっ……僕は国木田が突然腕を引っ張って電車を飛び出した所為で白い外套を無くしてしまったんだぞ!?爆弾魔探しに手伝う暇等ない!』
国「おっ、落ち着け芥川。外套はきっと駅員の手に渡っているだろう。だから」
『安心して貴様等について行くだと?云っておくがあの外套が』
その時だ
文が芥川の眼鏡を外して彼女の顔を凝視する
文「ほぉ……お姉さん。どっかで見たことあると思うたら指名手配犯の芥川りゅイダッ!叩かんでもええやろ!」
『黙れ』
文「しかも女……にしても別嬪さんなやなぁ」
『ほっ、褒めても何も出らんぞ!』
国「俺の理想が……ッ!」
そして冒頭に戻る
暫く云い合っている間にトンネルの奥の方まで来ていた
辺りは真っ暗で不気味だ
『……ゴホッ、空気が悪いな此処は』
文「……なんかちょっと怖いなぁ」
国「なら、お前等今すぐ帰れ」
『おい、国木田……あれ』
彼の言葉に聞く耳を持たず芥川は前方を指さす
そこには沢山の爆弾が仕掛けられていた
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らしろ(プロフ) - Regulusさん» コメントありがとうございます。楽しみにして下さり嬉しいです。頑張ります(*^^*) (2019年6月19日 20時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
Regulus(プロフ) - このお話大好きです(*≧ω≦)続き楽しみに待ってます!更新頑張ってください(*≧∀≦*) (2019年6月15日 6時) (レス) id: 9c91fd3a1d (このIDを非表示/違反報告)
光牙(プロフ) - 私的には太宰オチがいいな〜。個人の意見なんで気にしないでくんさい。そして更新がんばれ!応援してます(^ー^)ノ (2018年12月11日 21時) (レス) id: bfcb6bfd1c (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - Lamia0495さん» コメントありがとうございます。オチはまだ未定ですが、色々考えてみます( ^^ ) (2018年9月12日 0時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
Lamia0495(プロフ) - 敦くんオチ…だったらいいなぁ… (2018年9月11日 20時) (レス) id: a731b4f87b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らしろ | 作成日時:2018年9月8日 18時