第××話『アノ日ノ記憶“陸”』 ページ43
紅「太宰を捕らえよ!」
黒服が一斉に銃を向けて全速力で走り出す
何故、太宰を捕らえるんだ?と不思議に思い乍、少し焦る
『あの、太宰さ』
太「好きだよ、A。ありがとう、私の世界を色付けてくれて……愛してる」
『……っ』
芥川の額に柔らかいものが当たる
突然の事で頭が真っ白になる
そんな彼女の反応に可笑しそうに笑い走り出した
紅「……ッ、芥川!大丈夫か!傷だらけではないか……」
『……姐、さん』
紅「安心せえ。お主は一人じゃない……泣くな」
優しく彼女を抱き締めて黒服達に太宰を追うように指示する
『な、何故……太宰さんを、捕らえる……のですか?』
紅「……彼奴が任務を放棄してのう。一緒に来た黒服が敵に殺されたのにも関わらず、彼奴は逃亡したからじゃ」
ああ、確かに彼の人はそんな電話をしていたな、と納得して紅葉を見上げる
『……敵は?』
紅「私が片付けておいた。お前は少し休め」
優しく頭を撫でられる
彼女はそっと目を閉じた
紅「……芥川の目の前で裏切りおって……唯では済まんぞ」
唇を噛み、太宰や黒服が去っていた方を見つめる
紅葉の腕の中で眠る彼女の頬に涙が伝った
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森「……随分泣いたみたいだねえ」
『……気にしないで下さい』
次の日
早朝に首領室に呼び出された芥川は泣き腫らした目を指摘され少し機嫌が悪い
『それで僕を呼んだ理由とは?』
森「太宰君が任務を放棄してねぇ」
『(……お前の計画の内だろうが)』
森「何か問題でも?」
『いえ』
鋭い視線が向けられ内心焦りながらも首を横に振る。心の中を読まれてた
『……然し、寂しくなりますね』
森「そうだねぇ……」
『では僕は任務の支度をしてくる故、失礼しても?』
首を傾げ問えば森は少し驚いた顔をして此方の真意を探る
森「いいのかい?私を問い詰めなくても」
『……何故ですか』
森「太宰君を追放したのは私だからだよ」
森の発言に今度は此方が驚く
まさか彼がこんな発言をするとは思わなかった
『……彼の人が友人に云われて進んでいく道です。そういう運命なんですから僕は何も云えません』
森「うーん、愛だねぇ」
『はい?』
森「いや、では芥川君。今回の任務、任せたよ。暴れてきなさい」
『……首領の仰せのままに』
物足りなさを感じながら頭を垂れたのだった
end.
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らしろ(プロフ) - Regulusさん» コメントありがとうございます。楽しみにして下さり嬉しいです。頑張ります(*^^*) (2019年6月19日 20時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
Regulus(プロフ) - このお話大好きです(*≧ω≦)続き楽しみに待ってます!更新頑張ってください(*≧∀≦*) (2019年6月15日 6時) (レス) id: 9c91fd3a1d (このIDを非表示/違反報告)
光牙(プロフ) - 私的には太宰オチがいいな〜。個人の意見なんで気にしないでくんさい。そして更新がんばれ!応援してます(^ー^)ノ (2018年12月11日 21時) (レス) id: bfcb6bfd1c (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - Lamia0495さん» コメントありがとうございます。オチはまだ未定ですが、色々考えてみます( ^^ ) (2018年9月12日 0時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
Lamia0495(プロフ) - 敦くんオチ…だったらいいなぁ… (2018年9月11日 20時) (レス) id: a731b4f87b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らしろ | 作成日時:2018年9月8日 18時