漆黒の狗は原作を知らない為困っているそうです3【文スト】【芥川成り代わり】

第百九話『絆ノ強サ』 ページ29

黒蜥蜴達が倉庫の入口で呆然と立っていると立原があることに気付いた




立｢芥川の兄貴はどこ行った？｣



樋｢えっ！芥川先輩！？｣




皆が当人を探すが全身黒の幹部は見つからない
樋口は涙目になりながらオロオロし､広津は急いで携帯を出して連絡を取り始めた




樋｢芥川先輩ぃぃいいい！！私を置いていくなんてっ！私はやはり貴女の足枷ですか！！？｣



銀｢……｣




暴走しそうな樋口を宥める銀
ターゲットが倉庫に居らず､挙句の果てには突然の幹部の失踪
広津は四年前を連想させた




広｢……真逆｣



立｢爺さん､何が真逆なん……ん？｣




立原は目を凝らして暗闇の一点を見つめる
何かがこっちに来る気配｡神経を研ぎ澄ませ､銃に手を伸ばし､此方も足を進める
しかしよく見てみると……




立｢あ､芥川の兄貴！！｣



『ゴホッ……立原､丁度よかった｡此奴等を頼む』



立｢此奴等……？って､うおっ！？｣




羅生門に巻き付いていた男達が地面落ちた




『息はある｡大柄の男達だから取り押さえる時は気を付けろ｡異能持ちではないから多少は大丈』



樋｢先輩ぃぃぃいいいい！！｣




話している途中で芥川が吹っ飛んだ
敵からではなく身内(樋口)からのタックル(攻撃)で負傷した




立｢お､おい！兄貴が！兄貴がッ！意識飛んでる！！｣



銀｢……！｣




立原と銀が頑張って芥川の救出にかかる
そんな光景を広津は目を細めて見ていた




広｢(……私の思い過ごしか｡貴女が部下を捨てて消えることは有り得ませんね)｣




嘗て､敬愛していた上司を自分の目の前で失った心の傷は大きいものだから……
広津はそう思いながら彼等の方へと歩き出した




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本部




『……今回､捕らえた奴等はヨコハマにちょっとした反乱を起こす予定だったらしい｡無事に食い止められてよかった』



立｢兄貴が頭に包帯巻いてること以外はよかった｣



樋｢芥川先輩！本当に申し訳ございません！！私があの時飛び付いた所為で､頭を思いっきり地面に打ち付けてしまって……｣



『否､僕も何も云わずに姿を消して悪かった｡倉庫の扉を飛ばす前に少し遠くの方で気配を感じとってな｡もしやと思って行ってみたら居たという訳だ』




流石は先輩！と感動する樋口｡それを呆れた様子で見る立原と銀座




広｢如何です？強くなれましたか｣




広津の質問にクスリと笑い､口角を開けた




『僕達の絆の強さは確認できた』


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