第百八話『強クナリタクテ』 ページ28
ある日の昼
『広津さゴホッ……広津』
広「如何致しましたか、芥川幹部」
廊下を歩いていたら広津を見つけたから声を掛けた
“芥川幹部”なんて言葉はまだ慣れない
『今日は黒蜥蜴の任務が入っているだろう。それ、僕も同行しても善いか?』
広「ええ、勿論ですが。理由を聞いても?」
『否、唯……強くなりたくてな』
顔を顰めて地面を睨む芥川に広津は怪訝な顔をした
広「……では、部下の者に報告してきます」
『ああ。頼む』
広津と別れて自室へ戻り外套の懐から一通の手紙を取り出す
今朝、自分の執務室の机の上に置かれていたものだ
最初は樋口からの手紙かと思ったが違った
中身は───
『“汝の魂の救われんことを”か。僕はまだ死なんぞ』
ぐしゃりと手紙を握る
こんな手紙、一体誰が送ってきたんだ
『もっと……強くならなければ。絶対に死んではならんからな』
強くなる為には、誰かを殺す
それは間違っていると思う……が此処では、僕がいるこの世界では闇に葬ってきた人間が多いほど強い
『……戦術の本でも読むか』
鞄に何冊か本を入れて、夕刻に樋口と共に車へと乗り込んだ
途中、本を読んでいたら酔った事は内緒だ
━━━━
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━
『ん、着いたか』
樋「はい。芥川先輩、彼方に黒蜥蜴が到着しています」
『ほう、早いじゃないか』
口元を緩めて車を降り、酔いがまだ残っていたのか足元が少しふらついたがなんとか歩く
樋口にとても心配されたが広津が宥めてくれて収まった
立「……で、何で幹部である芥川の兄貴が此処に来たんだ?」
銀「……」
立原は不思議そうな顔で此方を見て、銀は頷いて立原に同意していた
『最近、体が訛ってきたから動かそうと思ってな』
立「そんだけの理由で此処に!?」
樋「樋口は先輩が来てくれるだけで光栄です!」
『よし襲撃するぞ』
広「はい」
広津と並んである倉庫へ行く
資料によると組合の残党やらがいるらしいが、其奴等はポートマフィアの倉庫に居候してるらしい
『全く……こんな所に居座るなって話だ』
広「我々に見つからないと思ってるのでしょうね。では、準備はよろしいですか」
広津は倉庫の扉の前に立ち腕を伸ばす
その瞬間、扉は見事に飛んで行った
広「……なっ!」
樋「誰も……いない!?」
情報のあった倉庫の中には人ひとりいなかった
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らしろ(プロフ) - Regulusさん» コメントありがとうございます。楽しみにして下さり嬉しいです。頑張ります(*^^*) (2019年6月19日 20時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
Regulus(プロフ) - このお話大好きです(*≧ω≦)続き楽しみに待ってます!更新頑張ってください(*≧∀≦*) (2019年6月15日 6時) (レス) id: 9c91fd3a1d (このIDを非表示/違反報告)
光牙(プロフ) - 私的には太宰オチがいいな〜。個人の意見なんで気にしないでくんさい。そして更新がんばれ!応援してます(^ー^)ノ (2018年12月11日 21時) (レス) id: bfcb6bfd1c (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - Lamia0495さん» コメントありがとうございます。オチはまだ未定ですが、色々考えてみます( ^^ ) (2018年9月12日 0時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
Lamia0495(プロフ) - 敦くんオチ…だったらいいなぁ… (2018年9月11日 20時) (レス) id: a731b4f87b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らしろ | 作成日時:2018年9月8日 18時