第百十二話『彼女ノ扱イ方』 ページ32
『……おい、貴様。太宰さんは如何した』
一番聞きたくて聞けなかったこと
彼が路地裏に居たのは多分、この男と逢う為だ
ド「彼は狙撃手に横腹を撃たれ、病院に運ばれました」
『……っ!貴様!唯では済まんぞ』
羅生門を繰り出して彼の喉元を狙う
しかし彼は驚くどころか笑みを深めた
ド「いいんですか?」
ピタリと羅生門が止まる
此奴を今、殺したら首領達を救う方法を聞きだすことは出来ない
しかし殺してしまわないと更に悲惨なことが起こりそうだ
ド「貴女は賢いですから唯、一言だけ云えば解ってもらえるので助かります」
『……ちっ、覚えておけ。絶対に貴様を許さん!』
彼の横をすり抜けて全力で足を動かす
矢張り僕の予想は当たっていた。今までの楽しかっ……否、平和な日々は嵐の前の静けさだった
『────太宰さん。僕は……』
何をすれば適任だ?何を云えば上手くいく?
不安で不安で仕方がない
『……っ、護るんだ。護り抜くんだ、僕が……』
自分に云い聞かせるようにして本部まで急いで帰ったのだった
***
ド「おや」
彼の視線の先には先程まで彼女が持っていた携帯電話
徐に手を伸ばして拾う
ド「……まだ遣えますね」
画面は割れて真っ暗だが、データは少しだけ残っている可能性がある。今後、何かの役に立つかもしれないし、彼女の情報もこの携帯を通じて掴めるかもしれない
ド「太宰君、貴方は間違っていますよ。彼女の扱い方を」
彼女は太宰に命令されないと生きていけない人ではない
彼女は人の上に立って導き、自らも戦場に君臨し戦う死神であり、部下達を護る番人でもあるのだ
命令なんかいらない。彼女は彼女なりの考えで正しい行動が取れる、自分達と同じ頭脳の持ち主だ
ド「“約定の地”に先に辿り着けるのは誰なんでしょうね」
軽快に靴音を鳴らし、これから起こる楽しい日々に期待を膨らませて路地裏を後にしたのであった
.
区切りがいいので本編はここで切らせていただきます
暫くは番外編が続きます。
第××話『黒イ羽織リハ誰ノ物?』→←第百十一話『僕ヲ恐レタノカ』
1027人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
らしろ(プロフ) - Regulusさん» コメントありがとうございます。楽しみにして下さり嬉しいです。頑張ります(*^^*) (2019年6月19日 20時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
Regulus(プロフ) - このお話大好きです(*≧ω≦)続き楽しみに待ってます!更新頑張ってください(*≧∀≦*) (2019年6月15日 6時) (レス) id: 9c91fd3a1d (このIDを非表示/違反報告)
光牙(プロフ) - 私的には太宰オチがいいな〜。個人の意見なんで気にしないでくんさい。そして更新がんばれ!応援してます(^ー^)ノ (2018年12月11日 21時) (レス) id: bfcb6bfd1c (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - Lamia0495さん» コメントありがとうございます。オチはまだ未定ですが、色々考えてみます( ^^ ) (2018年9月12日 0時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
Lamia0495(プロフ) - 敦くんオチ…だったらいいなぁ… (2018年9月11日 20時) (レス) id: a731b4f87b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:らしろ | 作成日時:2018年9月8日 18時