第百七十五話『黒ノ時代開幕』 ページ18
太「芥川君〜!今日こそはっ!今日こそは一緒に飲みに行こう!」
『……太宰さん、僕はまだ十六です。お酒なんて飲めませんよ』
太「大丈夫、私が飲めるのだから。君も飲めるさ」
『貴方の基準で云わないでください。
抑も本当ならば太宰さんだって飲めない歳で……』
太「……あっ!芥川君、甘い物を食べいかない?
一昨日できたあの甘味処に行こうよ」
『……自分に不都合な事があればまた直ぐに
会話の内容を変える……。僕は何処にも行きません!』
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太「……って、事があってねぇ〜」
織「芥川を誘えなかったか。残念だな」
坂「……芥川君が正論過ぎて太宰君も為す術もないですね」
いつものBARには織田作之助、坂口安吾、太宰治がカウンター席に座り、駄弁っていた。
彼等は同じ組織内にいるが上下関係など関係なく対等に分かり合える友人のように───
太「……彼女とも撮りたかったな」
織「また次に撮ればいいだろう?」
太「……否、今撮っておかないと、我々がこうやって
集まったという事実を残すものが何もなくなるような
気がしたんだよ。何となくね」
にこりと笑う太宰に織田と坂口は怪訝な顔をする。
写真撮影が再開して数分経った頃、聞き慣れた足音がして太宰が入口を見つめる。
太「Aちゃぁん!」
『……ゴホッ、芥川です』
光の速さで芥川に飛びついた太宰は嬉しそうに、逢いたかったよ〜、遅かったね〜、大好きだよ〜、と抱き締める。
芥川はというと心底嫌そうに、黙れ、離れろ、変態野郎、と暴言が止まらない。
坂「……太宰君、芥川君が相当嫌がってますよ」
織「……そうか?嬉しそうに見えるが」
『どこがだ!?嬉しくない!太宰さん!どいてください!苦しい!』
やっとの思いで太宰から解放された芥川は重労働をした後のような疲労が襲い、カウンター席で項垂れていた。
────カシャッ
太「うんうん、Aちゃんはどんな表情でも絵になるねぇ」
『……シバくぞ』
とんでもない顔の写真が撮られたと芥川は機嫌を更に悪くする。
というか何故、
坂「僕の撮影機ですよ。出張で持って行って鞄に入れていたら太宰君が折角だから写真を撮ろうと」
『……出張の帰りなのに巻き込まれたのか、ご苦労だな……』
太「私にも労いの言葉を!さん、はいっ!」
『黙れ、災厄』
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第百七十六話『自然ナ笑顔』→←第百七十四話『マフィアラシクナイ』
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アニヲタ(プロフ) - 少し遅くなりましたが最近(?)20巻発売されましたね!私はもう…ショックが酷くて読んだ後一週間位病んでました笑更新再開ずっと気長に待ってます!無理の無いご自分のペースで書いてくださいね…!ずっとずっと待ってます! (2021年1月11日 22時) (レス) id: 71f36505fa (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - アニヲタさん» いえいえ、リクがありましたら可能な限り受け付けます。お時間が掛かるかもしれませんが、、、でっぷるは映画で一度見たきりなのであまり詳しく覚えてないです、、小説は友人に貸して帰ってこないんですよ笑 (2020年7月30日 3時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
アニヲタ(プロフ) - 厭々!!!リク受けて下さるだけでも十分過ぎるのにぃ…マジで有難う御座います…!実は私もでっぷる編全く、これっぽちも知らんのですよねぇ...。 (2020年7月28日 18時) (レス) id: a9a289fd68 (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - アニヲタさん» コメントありがとうございます。でっぷる編ですが今、手元に小説がない状況でして書くことが出来ないんです、申し訳ないです、、、リク希望ありがとうございます。時間が掛かるかもしれませんが、受付致します。 (2020年7月28日 18時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
アニヲタ(プロフ) - あのぅ…でっぷる編書くご予定はありますでしょうか…?若し無ければリクをしたいのですが… (2020年7月28日 14時) (レス) id: a9a289fd68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らしろ | 作成日時:2020年3月16日 21時