第百六十八話『柔ラカイ』 ページ11
太「じゃあさ、Aちゃん」
『芥川です』
太「私のことが好きなら私の頭を撫でておくれ」
『えぇぇ……』
太「何その嫌そうな顔」
部下が上司の頭を撫でるって如何いう意味だ?そう思いながら太宰に近付く
先程は芥川が近付いただけで怒っていたのに今は近付くだけで嬉しそうに笑っている
太「ほら早く」
『はいはい、判りま……えっ、柔らかい』
髪の毛ってこんなにも柔らかいものだっけと芥川は驚いて太宰の頭を撫でる
これは癖になりそうだと思っていると太宰が芥川の腰に抱きついてきた
太「私も云っていいかい?」
『……嫌な予感が』
太「ふふっ私さっきからずっとね、考えていたんだ。
何故、君を見ると嬉しくなるのか。
何故他の人と君が楽しそうに話しているとモヤモヤするのか。
やっと答えに辿り着いたよ。私は君が好きなんだ」
とんでもない言葉に今度は芥川が驚く
太宰はお構い無しに続ける
太「私はここに宣言する。必ず君を堕とす」
太宰の片方の瞳には怪訝な顔の芥川が映っていた
『お……とす?』
どこから落とすんだろうかと不安が過り芥川の表情は曇る
それを見た太宰は察してクスリと笑う
太「……若しかして勘違いしてる?どこかの誰かさんが企てた崖から落とすことじゃないからね?」
『……意外と根に持ってますよね。成る程、そういう事ですか。しかし僕は貴方を恋愛対象としてみていませんので堕とすのは難しいかと』
太「……何を今更。では先刻の言葉は嘘なのかい?」
『嘘ではありません。しかしなんでしょう?嫌いになれないんです、貴方を。だから好きなのか……と』
太「何だいそれは。面白い解釈だ」
太宰の腕が伸びて芥川の右頬へと当てられる
芥川はぴくりと肩を揺らして目を瞑る
太「まだ痛むかい?」
『いいえ、大丈夫です』
太「ごめんね……痛かったね」
頬の痛みより心の痛みの方が強かった。
そう云えば太宰は悲しむだろう
『貴方がこうして触れてくれるなら痛みなんて吹っ飛んじゃいます』
太宰の手に自分の手を重ねて想いを伝える
彼はみるみる顔を赤くさせる
太「ん“ん“……っ!」
『……大丈夫ですか』
太「君は私を死なす気かい!?」
『そんなつもりは更々ありませんが……意外と初心ですね』
太「何その爽やかな笑み!君は幾つなの!?」
思わずギクリとなるが真顔で十四と答えておいた(精神年齢三十手前)
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第百六十九話『私達、付キ合オウ』→←第百六十七話『宣言サセテ頂キマス』
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アニヲタ(プロフ) - 少し遅くなりましたが最近(?)20巻発売されましたね!私はもう…ショックが酷くて読んだ後一週間位病んでました笑更新再開ずっと気長に待ってます!無理の無いご自分のペースで書いてくださいね…!ずっとずっと待ってます! (2021年1月11日 22時) (レス) id: 71f36505fa (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - アニヲタさん» いえいえ、リクがありましたら可能な限り受け付けます。お時間が掛かるかもしれませんが、、、でっぷるは映画で一度見たきりなのであまり詳しく覚えてないです、、小説は友人に貸して帰ってこないんですよ笑 (2020年7月30日 3時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
アニヲタ(プロフ) - 厭々!!!リク受けて下さるだけでも十分過ぎるのにぃ…マジで有難う御座います…!実は私もでっぷる編全く、これっぽちも知らんのですよねぇ...。 (2020年7月28日 18時) (レス) id: a9a289fd68 (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - アニヲタさん» コメントありがとうございます。でっぷる編ですが今、手元に小説がない状況でして書くことが出来ないんです、申し訳ないです、、、リク希望ありがとうございます。時間が掛かるかもしれませんが、受付致します。 (2020年7月28日 18時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
アニヲタ(プロフ) - あのぅ…でっぷる編書くご予定はありますでしょうか…?若し無ければリクをしたいのですが… (2020年7月28日 14時) (レス) id: a9a289fd68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らしろ | 作成日時:2020年3月16日 21時