漆黒の狗は原作と違う為困っているそうです2【文スト】【芥川成り代わり】 (ページ45)

今日:19 hit、昨日:49 hit、合計:497,284 hit

第××話『幕閉ジノ夜 “壱”』ページ45

美術館を後にして＿＿

ある居酒屋
カウンターで太宰と中也は酒を嗜んでいた
芥川は酒ではなく烏龍茶

最初は中也も太宰も大人しく(？)口喧嘩をしていた

───しかし一時間後

『中原さん､飲み過ぎです！太宰さん､触るなッ変態！』

右隣に座る中也が持っているワインボトルを取り上げる
左隣に座る太宰の鳩尾に拳を入れる

中｢何すんだよぉ～あくたなわ｡てめーも飲めや､返せぇ｣

太｢痛いよぉAちゃぁん｡殴ることないだろう？｣

『中原さんは酒癖が悪過ぎます｡あと､“あくたなわ”ではなく芥川です｡
それと太宰さん｡貴方は酔ってないでしょう？セクハラで訴えますよ』

もう早く帰りたい
酔い潰れそうな上司と包帯変態男の世話を同時に行うなど至難の業だ

中｢あ”～！おい太宰､てめーはほんとに目障りだぁ！あくたなわに触んなぁ､ぁおさわがァ｣

太｢五月蝿いな､君みたいなちっちゃい奴なんかに云われたくないね｡蛞蝓｣

『中原さん､なに新しいボトル開けようとしてるんです？もう呂律が回ってませんから止めましょう』

中｢あ“おらァなぁ､てめーにも怒ってんだ､あくたなわ！｣

『芥川です』

中｢かっえにひとんで敵んとこに､のい込みやあって……｣

『勝手に一人で敵の処に､乗り込んだのは謝ります｡
だからどさくさに紛れてワインを自分のグラスに注がないで下さ……ちょっ､溢れてる溢れてる！！』

ドバドバとグラスから溢れ出る赤ワイン
それがテーブルから滴り落ち中也の服が汚れた

中｢いんだよ､ンなこたぁ～｣

『……否､良くないですから｡ほら止めましょう､ボトルをコッチに』

太｢Aちゃ～ん｡そんな蛞蝓放っておいて私とイイコトしゴフッ！！｣

履いていたパンプスを持って思いっ切り振りかぶる
その途中でパンプスが何かに当たったような気がしたが気にせず太宰の頭をぶっ叩いた

『ん､暫く蹲ってろ変態木乃伊』

太宰が撃沈したのを確認し､中也の方を向く

『中原さん帰りま中原さんんんん！？』

何故か気を失って机に突っ伏していた
しかも顔に赤ワインが付いており､一瞬頭から流血しているかと思った

『全く……驚かせないで下さいよ｡あれ､額から血が出てる？否､真逆……な』

先程､パンプスを持って振りかぶったのが当たってしまったのか？

『(どうせ覚えてないから……いいか)』

酔っている奴が悪い､と呟き会計を済ませたのだった

.