第五十四話『彼奴ハ予定デナク理想』 ページ14
『それは誰から聞いた』
敦「あ、芥川……?」
『答えろ』
太「まあまあ、落ち着いて。敦君だって悪気は無かったんだよ」
敦「(尾崎紅葉は“自分で聞け”って云ってたけど……き、聞いちゃ駄目な事だったのか!?)」
太宰は芥川を宥め、敦は恐怖で身体を震わせている
芥川の睨みが余りにも怖かったからだ
『……何時かこの───』
敦「え?」
『……否、何でもない。あれだ、僕の使命は自分の予定通りに事を進ませる、だ』
太「予定通り……あれ?何か聞き覚えがあるなあ」
敦「……国木田さん」
『彼奴は予定でなく理想だろ』
何故知っている!?と云いたげな敦を睨み芥川は背を向け歩き出す
太「そうかぁ。予定通り、ねえ……」
ニヤリと口角を上げて芥川の背中を面白そうに見つめる太宰
芥川は厭な予感がし振り返る
太「いいねえ、その予t((『使命』……使命を壊したくなったよ」
『ふん、どうせ貴方が壊そうとしてもそう簡単には壊れん』
太「ふふ、そうかい。それじゃあ此方もより一層力を入れないとねえ」
太宰の言葉に顔を顰めた芥川は『余計な事をするな』と云い歩いて行った
敦「……太宰さん」
太「何だい、敦君」
敦は意を決して口を開いた
敦「僕は彼奴と対等になりたいです。如何すれば……彼奴の心に僕の声は響きますか?」
太「おや?もしや君も彼女を狙っているのかい?」
敦「ちっ違います!唯……何かを果たす為に何かを壊すのは違う、と云いたいんです」
敦の言葉に太宰は目を丸くし笑った
そして頭を掻きながらポツリと呟いた
太「君の覚悟が強ければ……必ず彼の子に声は届くよ。そうだなあ、恐がらずに偉そうに話せば──」
敦「こっ、恐がらず……偉そうに……」
太「ふふ、芥川君を頼んだよ。敦君」
楽しそうに笑う太宰に敦は物凄く厭な顔をした
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━
日が沈んだ森の中
芥川は一人、黙々と歩いていた
樋口に酷く心配されたがこれは首領からの遠回しの命令
───君は_____の忠実な狗……__が___に私を___ように指示したら、__は間違いなく
先程の首領の声が頭に響く
思わず頭を押さえ立ち止まる
『……僕、は』
────ドガァァァァァアアアアアアアン!!!
前方からとてつもなく大きい破壊音が聞こえた
……ああ、進まなければ
重たい足をなんとか動かす
彼等のいる処まであと数
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らしろ(プロフ) - シアトルさん» 優しいと思えば、意外と裏切られる芥川ちゃんでした(笑) (2018年9月7日 17時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
シアトル(プロフ) - 太宰さんは相変わらずクソであった…でめたし、でめたし…? (2018年9月7日 0時) (レス) id: 93e9cd7354 (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - 埴輪型竹輪さん» そのまさか……かも?しれないです(笑)ご期待ください! (2018年9月3日 23時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
埴輪型竹輪(プロフ) - え......まさかあの方と関係が...! (2018年9月3日 22時) (レス) id: 4f1c00f9fa (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - 鈴さん» まさか……!です(笑)、次にご期待ください! (2018年9月3日 21時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らしろ | 作成日時:2018年7月3日 21時