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第五十三話『使命ハ……何ダ』 ページ13

敦「なん、で?」



白い外套が落ちてくる銃弾を弾き飛ばす
敦は目の前にいる人物が信じられなくて呆然としていた




太「ふふ、詳しくは後で教えるよ。さあ行こう」




遅れてやって来た太宰はニヤリと笑い手に持っていた端末の釦を押した


街中に置かれていたオブジェから白い霧が吹き出る


敦はおずおずと芥川の手を握った。彼女は敦を支えながら太宰と共にその場から立ち去った



━━━━
━━




『此処まで来れば大丈夫か』



太「いやぁ助かったよ。矢っ張り凄いねえ、その白い外套。弾丸をいとも簡単に弾き飛ばしてたねぇ」



敦「……」



『この外套を操れないのが欠点だがな』




地下まで敦を連れゆっくりと階段に座らせた芥川




『では僕は……おい、敦。離せ』



敦「……」




敦は芥川の外套を掴み何かを考え俯いていた。そして口を開く




敦「……太宰さん、芥川」




二人は敦を見つめる




敦「昔読んだ古い書巻にありました


“昔、私は、自分のした事に就いて後悔したことはなかった しなかった事に就いてのみ何時も後悔を感じていた”


それに((『“頭は間違えることがあっても、血は間違わない”』……なっ!?」



『お前の考えは手に取る様に判る。で、血と魂が示すモノは何だ?』



敦「……協力者だ」




敦は下を向いていたが、何の迷いのもなく力強く云った




太「……協力者、か」



敦「彼等は横浜で最も強く誰よりもこの街を守りたがっています。組合と戦う協力者としてこれ以上の組織はありません」



『……』


太「……」



敦「……その組織の名は」




前を向いた彼の黄色と紫の綺麗な瞳が光り輝いていた




敦「ポートマフィアです」




太宰の目が細まる
芥川は判っていたように目を閉じ口角を上げる




『……確かに心強い協力者だ』



敦「……!そうか、な?」




珍しく芥川が敦の意見に乗ってくれた
敦は少し嬉しそうに頬を緩める。しかしそれは一瞬だった




『だが、互いの長はその件を呑んでくれるだろうか?』



敦「……そ、それは」



『考えが浅すぎる』



敦「ぐっ……如何すれば」



『姐さんを返して貰えればうちはいいがな』



敦「……(姐さん、か)」




───まあ、私が云えるのは……“使命を果たす為”かのう



ふと彼女の云っていた言葉を思い出す




敦「芥川の使命は……何だ?」



ふと思った事が口から零れ出した
芥川は目を見開き固まっていた


.

第五十四話『彼奴ハ予定デナク理想』→←第五十二話『バレテハイケナイ』



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らしろ(プロフ) - シアトルさん» 優しいと思えば、意外と裏切られる芥川ちゃんでした(笑) (2018年9月7日 17時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
シアトル(プロフ) - 太宰さんは相変わらずクソであった…でめたし、でめたし…? (2018年9月7日 0時) (レス) id: 93e9cd7354 (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - 埴輪型竹輪さん» そのまさか……かも?しれないです(笑)ご期待ください! (2018年9月3日 23時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
埴輪型竹輪(プロフ) - え......まさかあの方と関係が...! (2018年9月3日 22時) (レス) id: 4f1c00f9fa (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - 鈴さん» まさか……!です(笑)、次にご期待ください! (2018年9月3日 21時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らしろ | 作成日時:2018年7月3日 21時

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