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第五十一話『私達ハ君ヲ』 ページ11

敦「意志が強い?」



紅「少なくとも貴様よりはのう」




茶を飲み一息つく紅葉に敦はまた怪訝な顔で首を傾げる




敦「……芥川は何故、マフィアに居るんですか」



紅「そんなの自分で聞け。まあ、私が云えるのは……“使命を果たす為”」



敦「使命?」



紅「内容は知らぬが、使命があると云った時の芥川の瞳はえらく燃えていた」




思い出すように目を細める紅葉。敦は何も云えないまま考えていた




敦「(何かを果たす為には何かを壊さないといけないのか)」


紅「それより善いのか?太宰の傍に居らんでも戦争中じゃろう?」



敦「……太宰さんは交渉に向かった。政府の代理人と」




***




ある駐車場
太宰はフェンスに体を預けある人物を待つ
そこへ一台の黒い車が近づき、彼の前で停まった




坂「何年振りですかねぇ太宰君。連絡を貰った時は驚きましたよ」



太「やあ安吾!元気そうじゃあないか!」




内務省 異能特務課 参事官補佐の坂口安吾だ
太宰は顔を明るくし安吾に近付いて擦れ違いざまに彼の銃を抜き取り頭に銃口を押し付けた




太「善く来たねえ安吾。如何して思ったんだい?私が……私達が君をもう許していると(・・・・・・・・・・・・・)



坂「マフィアを抜けた貴方の経歴を洗浄したのは僕ですよ。借りがあるのは貴方の方では?」



太「じゃあ、彼の子は如何なんだい」



坂「……」



太「……黙り、か。判ったよ」




呆れ顔の太宰は持っていた銃を安吾の頭から離し溜息を吐く




太「どうせこうなることを予期して弾を込めてないんだろう?」



坂「ご理解が早くて助かります。で?旧交を温めるのが目的でないならご用件は?」




銃を安吾に返した太宰は安吾の車に近付きぽんぽん叩く




太「いやぁ流石に宮仕えは善い車だねえ……ドライブしない?彼女の事でも話がしたいし、ね?」




***




『……っくしゅ!』



樋「(可愛いくしゃみ!)……芥川先輩大丈夫ですか?」



『誰かが噂しているのだろうな。平気だ』



樋「……では安静にしていてくださいね。これパジャマです」



『……判ってる』




執務室から出ていく樋口。芥川はフゥと息を吐く


先程、首領に報告を終え、一週間は絶対安静と云われた。ホーソーンと戦った時の傷を心配しての配慮だという




芥「一週間も寝るのかっておい何だこれは」




芥川は樋口に手渡されたフリフリの可愛いパジャマを見て項垂れたのであった


.

第五十二話『バレテハイケナイ』→←第五十話『ソノ続キハ何ダ』



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らしろ(プロフ) - シアトルさん» 優しいと思えば、意外と裏切られる芥川ちゃんでした(笑) (2018年9月7日 17時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
シアトル(プロフ) - 太宰さんは相変わらずクソであった…でめたし、でめたし…? (2018年9月7日 0時) (レス) id: 93e9cd7354 (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - 埴輪型竹輪さん» そのまさか……かも?しれないです(笑)ご期待ください! (2018年9月3日 23時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
埴輪型竹輪(プロフ) - え......まさかあの方と関係が...! (2018年9月3日 22時) (レス) id: 4f1c00f9fa (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - 鈴さん» まさか……!です(笑)、次にご期待ください! (2018年9月3日 21時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らしろ | 作成日時:2018年7月3日 21時

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