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第九話【武装探偵社のアルバイト】 ページ10

────龍頭抗争から二年が経った或る日





『お父さん、依頼者に逢いに行ってくるね』




「ああ、道中には気を付けろ」




『はぁい。行ってきます』





笑顔でお父さん(福沢さん)にいつもの様に返事をして外へ出る


私は武装探偵社員ではないが、アルバイトとして仕事を手伝っている
猫探しや依頼者の捜し物を一緒に見つける仕事など簡単なものだ





『今回は……人探しか』




何度かやったことがある。孰れも全員見つけているが、この依頼は少しややこしい気がする





『乱歩君が珍しく真顔で気を付けてねって云ったのが怖いんだよなぁ』




肩を落とし、待ち合わせの喫茶店へと足を進める
職場から徒歩二十分。オシャレな小さい店は平日の九時だからかあまり人がいなかった




『……貴方が武装探偵社に人探しを依頼した、織田さんですか?』




「ああ、そうだ。態々此処まで済まない。遠かったか?」




『大丈夫ですよ。職場から徒歩で二十分程度なので善い散歩が出来ました』





そう云うと彼は安心したように笑った
それから向かい合わせに座り、自己紹介を改めてして本題に入る




『先ずはその方のお名前、年齢、性別、容姿を教えてください』




「名は、太宰治。歳は慥か十八で男。容姿は……スーツを着ているから全体的に黒くて腕や首には包帯が巻いてある」




『……太宰治?包帯……?』





あれ、なんだか知ってる気がするぞ?
否、世界には名は太宰治で齢は十八、容姿はスーツを着ていて全体的に黒くて腕や首には包帯が巻いてある男の人なんてたくさんいる筈……





「自 殺愛好家(マニア)でふとした瞬間に川に飛び込んだり、首を吊ったりしようとするんだ」




『……あ、ああ。そうですか』





あ、絶対彼の人だ。抑もだ、そんな奴はこの世で一人しかいないだろう。世界中を探したってそんな奇妙で変な男は誰一人いない





『随分と変わった思考の持ち主のようですね……失踪されたのは何日前でしょうか』




「かれこれ二週間は経つ。職場の同僚も捜索にあたっているが手掛かりがなくお手上げ状態だ」




『ふむ、同僚……ですか。彼の職業は?』




「……云わないといけないか?」




『ええ、その職場の同僚の方にも直接話を聞こうと思っているので。教えてくれると助かります』




織田さんは少し考えて、判ったと頷く





「太宰の職業は────」




.

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らしろ(プロフ) - 有栖川.さん» コメントありがとうございます。可愛いと言っていただけて嬉しいです!更新頑張ります、引き続きお楽しみ下さい! (2020年5月26日 21時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
有栖川.(プロフ) - 織田作、、可愛い…。更新頑張ってください!! (2020年5月26日 19時) (レス) id: 365395094b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らしろ | 作成日時:2019年6月21日 18時

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