第四十七話【……俺は知らない】 ページ48
「探偵社なのに
声からして広津さんだ。
うわ〜久し振りに声を聞いた!元気そうでなにより!
「大目に見てくれ、用事はすぐ済む」
その言葉と共に銃声が鳴り響く。
窓ガラスの割れる音。
花瓶の落ちた音。
社員の悲鳴。
『────氷の花』
────パキンッ!
……と、音が鳴り響く。
「やめろっ!」
そして聞き覚えのある声が聞こえた。
机の下から出て扉の方を見ると敦君が呆気にとられた顔で国木田君に投げ飛ばされている広津さんを見ていた。
『……あれ、広津さん凍らなかったんだ』
多分、避けたのだろう。だって彼は私が此処に居るのを知っている筈だから。警戒していたんだろうな。
社内は全て氷で覆われていて社員以外、つまりマフィアの皆は首元まで凍っていた。
「おお帰ったか。中里、此奴も氷漬けに頼む」
『あいあいさー』
国木田君は敦君を見たあとに私の方を向いて広津さんを指差す。
『失礼しま〜す、広津さん』
「君か……」
バキンッ!と音がして広津さんの体を氷で封じる。
氷の中は無効化状態の為、いくら異能が遣われようと大丈夫なのだ。
『まさか、こんなに直ぐに奇襲を仕掛けて来るとは』
「……上司からの命令だからな」
『上司とは……樋口ちゃん?いやぁ大変だねぇ』
チラリと国木田君と敦君を見る。
敦君は泣いていた。ホッとしたような、嬉しそうな顔をして。
「……中里君、首領が逢いたがっていたぞ」
『えぇ、あのロリコンはまだ私を諦めてないの?』
「中里」
溜息を吐いたら織田作が来た。
私は織田作の方を向いた時、ちょうど窓の方に視線が止まる。
『わ〜!賢治君が黒服達を落としてる!私も落としたい!』
「嗚呼、まだ沢山いる。落としてくるといい」
『うん!じゃあ行ってくるね織田作』
賢治君の元へ駆け寄り一緒に黒服達を落とした。
時には氷の螺旋滑り台を作って遊んだりした。
「織田君」
広津は中里の方を見て織田を見た。
織田は怪訝な顔をして広津を見る。
「彼女は何者かね?」
「……さぁ、俺は知らない」
「……ふむ、そうか」
『よーし!広津さぁん!君も落とすよ〜』
テンションの高い中里が広津を軽々担いで運ぶ。
それを見て織田は笑った。
「……俺は知らない。俺
……To be continued.
110人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
らしろ(プロフ) - 有栖川.さん» コメントありがとうございます。可愛いと言っていただけて嬉しいです!更新頑張ります、引き続きお楽しみ下さい! (2020年5月26日 21時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
有栖川.(プロフ) - 織田作、、可愛い…。更新頑張ってください!! (2020年5月26日 19時) (レス) id: 365395094b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:らしろ | 作成日時:2019年6月21日 18時