第五話 『悪魔ノ笑顔』 ページ6
異様に長く感じる廊下を銀を抱きながら走る
数分前までは楽しく会話していた
しかし、太宰が銀に云った一言で空気が一変
それは───
太「お姉ちゃんがマフィアに入ったら銀ちゃんは暗殺の仕事をしてもらおうか」
まだ幼い銀に何を云っているんだ此奴は!
彼女は慌てて銀を隠し、反論した
『私はマフィアに入りませんし銀に殺しなどさせたくありません』
太「おや、それは残念だよ。銀ちゃんは此処に入って強くなりたいと云っているよ」
驚いて銀を見る
何故?
銀「私、お姉ちゃんより強くない。お姉ちゃんを守れるくらい強くなるって思って……」
『銀……私はね、その気持ちだけで嬉しい。でも、妹が私の為に殺しをするなんて一番悲しいのよ』
ひょいと銀を抱き上げて扉の方へ走り廊下へと出る
此の儘、此処に居ては危険だと判断して逃げる
『はぁ…はぁ……ッ』
まだ完璧に体力は戻っていないが銀を守るためなら嫌でも足は動く。
この子だけは……絶対に守り抜かないといけない
銀「お姉ちゃん!下ろして!私も走る!」
『駄目!絶対に離さないから!』
羅生門でうまく銀の体重を調節しながら迷路のような廊下を走る。
そしてやっと
一階につき、チンッと音がしてゆっくりと扉が開く
『────羅生門』
昇降機の前で待っていた人達が羅生門に巻き付かれて身動きが取れなくなる
一人を除いて
太「君は頭が善いのだね」
『貴方には負けますがね』
銀を抱きしめ直して太宰を睨む
太「私は君をマフィアに歓迎したい、芥川ちゃん」
一歩ずつ私に近付いてくる太宰
彼女は急いで“閉”を押す
扉がゆっくりと閉まるが太宰が手を入れ無理矢理開けた
太「君はマフィアに向いている、思考も異能も」
『来るな、悪魔』
太宰はその言葉に微笑んで、彼女の腕を掴んで羅生門が消えた
勿論、抵抗した。然し女の力では太宰の手を振り解けない
彼女は昇降機から引き摺り降ろされた
まぁ腕は離してくれたが
銀「お姉ちゃん……」
不安そうな銀が私を見る
『銀、お姉ちゃんは何があっても貴女を守るから……
────羅生門!』
黒獣が蠢いてあらゆる物を破壊していく
少しでもいい、目くらまし程度でいいから一瞬の隙が欲しいのだ
……然しそれは不可能に近いだろう
彼女は太宰をもう一度睨んだ
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らむしろっぷ(プロフ) - りんさん» いいですね!私は忙しくてその日に食べれなかったです……(;_;) (2018年6月27日 14時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 太斎さんの誕生日ケーキ食べましたよ(*´∇`*) (2018年6月25日 23時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
らむしろっぷ(プロフ) - りんさん» 私の一番の推しは太宰さんです!カッコイイですよね!! (2018年6月25日 23時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 太斎さんもいいですよね (2018年6月23日 23時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
らむしろっぷ(プロフ) - りんさん» 次巻に期待しましょう!それまで信じましょう(;_;) (2018年6月23日 23時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らむしろっぷ | 作成日時:2018年5月19日 20時