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第××話『君ノ名前ヲ知リタクテ“参”』 ページ46

『ふ、ふふっ……』



太「……」




口角を上げ、片手で口元を隠し小さく笑う芥川を太宰はポカンと眺めていた




『あっ、済みません。あまりにも真っ直ぐだったの』



太「笑った……」



『……え?』



太「……君が初めて私に笑った顔を見せてくれた」




その言葉に芥川は思わず両手で顔を隠す
不覚だ。これも彼の策略か?




太「ふふふ、笑った方が何倍も可愛い……」



『……』




ニヤける太宰に、引く芥川
彼はこんなにも変態だったのか、と考える芥川に太宰は急かすように顔を近付けてくる




太「それで?名前は何て云うんだい!?」



『そ、それは……』




いざ云うとなると何故か恥ずかしい。口篭る芥川に痺れを切らしたのか太宰が急に立ち上がり彼女の隣に座る




『ちょ、云う!云いますから、それ以上は近付かないでください!』



太「なら早く云い給え!さあさあさあさあ!!」




どんどん迫ってくる太宰
迫られる経験がある訳が無い芥川の頭は真っ白になる
それと対照的にキラキラと瞳を輝かせ楽しそうに近付いてくる太宰




『え、あ……えっと…………A』((ボソッ



太「……え?」



『や、僕はこれで失れ、ぐえっ!』



太「いや待って、全く聞こえなかった。何で声が小さくなるの?早く大きな声で」



『だから……Aって云ってんでしょうがこの包帯無駄遣い装置がァァァ!!』




右ストレートが見事に太宰の腹部に当たる
太宰は蛙のような声を出し蹲った




太「んふふ……A。Aちゃん」




痛むお腹を擦りながら彼女の名前を呟く
初めて聞いた名前はやけに頭に響く




『あまり僕の名をマフィア内で呼ばないでください』



太「判ったよ。あと何故、私を避けるのか判ったら最高なのだけど」



『特に意味はありません。唯……』




芥川は口を閉じて手を顎に添える
太宰は不思議そうに首を傾げる




『……話すのが、その……何でしょう?照れ臭い?』



太「……ん?照れ?は、照れてたの!?」



『少なからずそれもあるかと』



太「君はツンデレだったのか……納得だ」




ブツブツ云っている太宰に冷ややかな視線を送る芥川だった



―――



おまけ




銀「太宰さんと何かあった?」



『何故だ?』



銀「太宰さん、凄く機嫌がいいから」



『あった……んじゃない、か?』



銀「(お姉ちゃんも心做しか嬉しそうだなあ)」




とても微笑ましいと思った銀だった



end.

第××話『消毒液ガ嫌イナ理由“壱”』→←第××話『君ノ名前ヲ知リタクテ“弐”』



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らむしろっぷ(プロフ) - りんさん» いいですね!私は忙しくてその日に食べれなかったです……(;_;) (2018年6月27日 14時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 太斎さんの誕生日ケーキ食べましたよ(*´∇`*) (2018年6月25日 23時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
らむしろっぷ(プロフ) - りんさん» 私の一番の推しは太宰さんです!カッコイイですよね!! (2018年6月25日 23時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 太斎さんもいいですよね (2018年6月23日 23時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
らむしろっぷ(プロフ) - りんさん» 次巻に期待しましょう!それまで信じましょう(;_;) (2018年6月23日 23時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らむしろっぷ | 作成日時:2018年5月19日 20時

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