swim６ ページ6
原田) ｢痛ぇ…ん？…りゅう、ほう？｣
晴美)｢すいません…お怪我は？｣
ハルちゃんが声をかけたのは、去年のインターハイで決勝までいった選手“神宮一虎”。
そしてその横、S1が秀平くんと同じ平泳ぎの“平光希”。
平) ｢大丈夫！うちの一虎先輩は頑丈だから！｣
一虎) ｢おう！そっちこそ大丈夫か？｣
原田) ｢はいっ！俺の肉体無敵なんで！｣
そんな和やかな雰囲気のやり取りがある横で、こっちの私たちには少し重い空気が漂っていた。
譽) ｢…久しぶり…元気そうだね｣
A) ｢…はい、仁科先輩も…｣
龍峰高校水泳部の部長さん、そして私が龍峰を気にかける理由の人物である“仁科譽”。
大会では私が一方的に見ていたから久しぶり感はないけど、向こうとしては会うのは2年ぶりか…。
譽) ｢そっちで水泳始めたの？｣
A) ｢いえ、相変わらず水中は怖いので…。それで今はマネージャーやってます｣
譽) ｢えっ、男子水泳部の？｣
A) ｢はい。うち女子水泳部ないので…それで男子水泳部に｣
譽) ｢そっか。…マネなら俺の大会成績とかって…｣
A) ｢もちろんチェックしてますよ。ライバル校ですから｣
譽) ｢…ほんと、Aは変わらないね｣
A) ｢ライバルをチェックするのは当たり前のことですよ｣
譽) ｢うん…そーいうとこ、やっぱ今でも好きだわ｣
A) ｢…っ！｣
急に爆弾発言を落とす仁科先輩。
絶対今の私、顔赤いぞ。
普通ならいいムードとかになるんだろうけど…。
突然視界に入ったお互いを掴み合い言い争ってる藤川くんと大樹くん、それを止めに入る各部員たち。
譽) ｢はいはいはい、ごめんねごめんねごめんねっ。
れ〜おっ、練習中だぞ｣
礼央) ｢…すいません…｣
秀平) ｢大樹も落ち着いて｣
大樹) ｢…悪ぃ｣
譽) ｢ごめんね？うちのヤツらがw｣
秀平) ｢いえ。うちの部員が転んだのが事の発端ですし、こちらこそすいませんでした｣
譽) ｢じゃあ失礼するね。よーし、みんな行くよ！｣
部長の仁科先輩の合図で走り出す龍峰メンバー。
その途中で｢またね、A｣と私の頭を撫で、通り過ぎていく先輩。
もちろんそれは東ヶ丘にも龍峰にも見られてたわけで…。
もんじゃ屋さんで質問攻め(ほぼ原田くんとハルちゃんから)にされたのは言うまでもない。
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作者名：HINANO | 作成日時：2020年7月11日 17時
