swim２０(side : 神宮一虎) ページ20
Aちゃんが作ってきてくれた弁当をミーティングルームで遠慮なく広げた俺ら男ども。
みんなの好みが分からないからと種類豊富なサンドウィッチとおにぎり両方用意してくれてて、他にも惣菜がめっちゃ綺麗に入っていて…これ手作りはやばい。
光希) ｢Aちゃんの手作り最高〜！｣
一虎) ｢…光希、お前たぶん譽に恨まれてるぞ｣
弁当を食う俺らからちょっと離れた所で1人、むくれた顔でケータイをいじる譽の姿があった。
そこへ練習から戻ってきた礼央がこっちへ来た。
礼央) ｢譽さんどーしたんすか？｣
一虎) ｢光希が譽より先にAちゃんの手作り弁当食べた｣
光希) ｢別に俺悪くな〜い。あっ、このお弁当Aちゃんからの差し入れね｣
礼央) ｢…えっ？そんなんで譽さん機嫌悪いんすか？｣
一虎) ｢あれ、礼央は知らないっけ？譽とAちゃんって中学の時に付き合ってたらしいぞ？｣
光希) ｢でももう別れて2年くらい経つじゃないっすか｣
一虎) ｢はっ？光希、お前全然気づいてないのな。譽のやつめっちゃ未練タラタラだぞ？｣
たぶん部員のほとんどは譽の行動でAちゃん好きなんだな〜って薄々気づいてる。
分かってないのはこのバカ光希と、恋話なんぞ一切興味がないピュアボーイ礼央くらいだ。
礼央｢その宮本は？｣
光希) ｢あっち〜｣
一虎) ｢あれが譽の機嫌もっと悪くしてる原因だな｣
光希が指さす方向にはC・DチームのやつらとAちゃんが何かの話で盛り上がってる、そんな光景。
こっちとあっちで距離があるから何の話してるかは聞こえないけど、まぁ譽の視線がチラチラとずっとあっち気にしてんのよ(笑)
一虎) ｢そんな気にすんなら呼べばいいのにw｣
光希) ｢じゃあ俺呼んできまーす！｣
礼央) ｢いや、この場合行くのお前じゃないだろ｣
光希) ｢えぇ〜だってAちゃんいなくて寂しいんだも〜ん！それにAちゃん誰のでもないんだから俺も狙いた〜い！｣
光希…お前、譽のこと挑発してるな？
めちゃくちゃ譽の方見て言うやん(笑)
一虎) ｢…ってあれ？譽は？｣
光希) ｢…先越された｣
つい今までいた席に譽の姿はなく…。
あ〜、あいつ光希の挑発に乗ったのか(笑)
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作者名：HINANO | 作成日時：2020年7月11日 17時
