swim１９(side : 仁科譽) ページ19
インターハイに繋がる都大会本番まで残り1ヶ月を切ったある日の土曜日。
今日は磯村先生から突然言いつけられた東ヶ丘との合同記録会。
初めは戸惑ったものの、どこと泳ごうか俺らには関係ないって事で拒否することなく記録会を開催することになった。
A) ｢Aチームの練習はこれで終了です。お昼休憩のあと午後からうちとの合同記録会があるので体を休めてください｣
礼央) ｢…まだ泳いでてもいいか？｣
光希) ｢えっ！まだ泳ぐの！？｣
A) ｢今だと7レーンが使えるけど…｣
譽) ｢礼央〜練習熱心なのはいいけど、せめてあと5本な？｣
頷いた礼央は1人プールへと入っていった。
そんな礼央を置いて先に着替えた俺らは昼食のためミーティングルームに向かおうとしたが、Aが一緒に残ると言い出した。
一虎) ｢いつもの事だし放っておいていいって(笑)｣
譽) ｢それにまだC・Dチームも親太郎もいるし大丈夫｣
光希) ｢あっ！もしかしてAちゃん俺が頼んでたお弁当忘れちゃったとかないよね！？｣
譽/一虎)) ｢｢お弁当？？？｣｣
光希) ｢この前の土曜練習で休憩重なったんで一緒にお昼食べてたんすよ！｣
んっ？…ん？…一緒に食べてた？
一虎) ｢あ〜、あの日俺らダウン遅れて行ったからな〜｣
光希) ｢そん時にAちゃんのお弁当ちょっと貰ったんすけど｣
ん？…ん？…貰った？？
光希) ｢めっちゃ美味くて、それが手作りって聞いて｢俺にも作ってきてー！｣ってお願いしたんすよ！｣
ん？…ん？…お願いした？？？
A) ｢ちゃんと持ってきたよ。磯村先生に頼んで職員室に置いてあるから取りに行かなきゃ｣
一虎) ｢えっ、ちょい待ち。光希の作ってきたの？｣
A) ｢えっと…一応みんなの分まとめて作ってきたんですけど…あっ、勝手に迷惑でしたよね｣
光希) ｢えぇ〜俺のだけじゃないの〜？｣
一虎) ｢はっ、残念だったな光希(笑)｣
A) ｢私取ってきますね｣
光希) ｢いや！俺と一虎先輩で行ってくるよ！はいGOー！｣
一虎) ｢はぁ？俺も！？｣
光希に強引に連れて行かれた一虎。
ぽつんと残された俺とA。
とりあえず俺の思考は｢今度光希の練習メニューだけ増やしてやろう｣なんて考えていた。
だって俺ですらAの手作り弁当食べたことなかったのに…。
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作者名：HINANO | 作成日時：2020年7月11日 17時
