男水！～プールサイドの景色～ (ページ15)

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龍峰の練習風景は私が想像していた以上に迫力があった。

補欠組だろうと本気の練習なのに、それでもすごく楽しそう。

うちの水泳部は…このままでいいのかな…。

龍峰みたくなれってことじゃない。

でももう少し真剣に“水”に向かってほしいなって。

そんな同時刻の東ヶ丘水泳部は何やら大変なことになってたみたいで…私がそれを知ったのは次の日の放課後だった。

晴美) ｢まさかほんとに練習こないなんて…｣

A) ｢大樹くん、このまま辞めたりしないよね…｣

昨日の練習中、亮也くんは大樹くんが手を抜いて泳いでいることに気づきなんで全力で泳がないのかと問い詰めたらしい。

それに対して何も答えない大樹くんに｢出てけ｣と亮也くんは彼を突き放したとのこと。

滝) ｢そーいえば川崎さん｢泳ぎたくても泳げないやつだっているのに、そんなやつの前で最低な泳ぎすんなら目障りだ｣って言ってたけど…あれ誰のこと？｣

原田) ｢あ～肩壊して辞めた自分のことじゃない？｣

秀平くんとハルちゃんが心配そうにこっちを見てきた。

そう、多分それは私のことだ。

私は常に“水”と真剣に向き合ってきた。

大好きだった。

なのに…そんな“水”に全部奪われた。

泳ごうと思ってもあの悪夢が襲いかかってきて、泳ぎ方も息の止め方も分からなくなる。

ねぇ…今の私はどんな顔してる？