swim１４ ページ14
挨拶を終えると磯村先生は｢練習行けー！｣と部員を解散させ、黒縁メガネをかけた小柄な生徒を呼んだ。
磯村) ｢あとはうちのマネに任せてあるから聞いてくれ｣
森) ｢はじめまして…ではないですね(笑)
宮本さんと同じ2年の森親太郎です。よろしく｣
彼が噂の優秀マネージャーくん。
色々説明してもらいながらプールへ向かうことになった。
森) ｢うちの学校はさっきいたミーティングルームがある2階までは階段、その上の階からエレベーター。ちなみにプールは最上階の10階ね｣
A) ｢やっぱりさすがは都立高校…｣
森) ｢あっ、これに部員それぞれのS1と練習グループ載ってるから確認してね｣
渡されたのは龍峰水泳部員の名簿をプリントした冊子。
学年や科、その他諸々と載ってるそれはたぶん顧問が持っているであろう物で…
A) ｢こんな個人情報載ったの私が見ていいの？｣
森) ｢磯村先生から渡すよう頼まれたからいいんじゃない？笑｣
その後も補足で説明を受けていたらエレベーターが止まった。
森くんの後ろを歩き案内されたプールは東ヶ丘とは桁違いな広さで、唖然としてしまった。
A) ｢えっと…私は何を手伝えばいいの？｣
森) ｢名簿見てもらったらわかるけどうちは部員数が多いから4グループに分かれてて、宮本さんはAグループの補佐をお願い｣
A) ｢んっ？Aグループってレギュラー陣だよね？｣
森) ｢水泳に関しては僕より宮本さんのほうが詳しいと思うから大丈夫だよ｣
名簿を確認すると森くんがいうAグループは大会出場レギュラー陣。BとCが補欠組。Dがそのさらに補欠組となっている。
譽) ｢親太郎〜、アップ終わってBとCグループの練習始まるから入ってもらっていい？｣
森) ｢はい！じゃあ宮本さん、Aグループの練習メニュー渡しておくからあと頼んでいい？｣
A) ｢うん、了解｣
森くんに渡された紙に目を通すと、なんだか見たことのあるメニューだなと思ってしまった。
譽) ｢…じゃあA、Aグループの担当よろしくね｣
姫奈) ｢あっ、はい！｣
この前見たく頭をポンッと撫でられた。
あ〜…集中しろ。
今はマネージャーとしての手伝い…意識するな。
意識を別の方向に変えるため渡されたメニューを再度確認する。
(あっ、これうちのメニューと似てる)
なるほど。やっぱり亮也くん、龍峰と似た練習メニューみんなにやらせてたのか。
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作者名：HINANO | 作成日時：2020年7月11日 17時
