好きよ好きよも、好きのうち。【3年A組】 (ページ9)

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8回目の好きページ9

ちらっと校庭を見ると朝練をしている先輩

サッカーをしてる姿
かっこいいし、一番輝いてる

ベンチの方から黄色い悲鳴も聞こえてくる

やっぱ応援してる人数すごい

私は親衛隊なんかに入りたいとは思わないけど

抜け駆けとか絶対できなくなるし
私はそんな中の一人に収まりたくない

数いる先輩好きさん達と比べたら頭一つ分くらい抜けていると思いたいなぁ

心の中で先輩頑張れって応援していると、何となくだけど目が合った気がする
すぐに逸れてしまったけど

実際に目が合ったかどうかなんて分かんない
私が合った気がするから目が合いましたという事で

.

先輩の周りにはいつも人がいる

特に同じクラスに親衛隊の人達がいて、一人はサッカー部マネージャーだし

噂によると元カノらしい

救いなのは我が水泳部の翔先輩と仲良いこと！

移動教室とかで見かけた時とかも仲良く話をしてた

私が先輩の事を好きだと知っているからたまに先輩の話をしてくれて応援してくれる

私の良き相談相手である

私はその良き相談者に御用の為、いつぞや振りの3Aに来た
教室の中を覗いてみると先輩と翔先輩が窓側で話をしている

流石に大声で呼ぶのは…どうしよう

「邪魔」

「すすすすみません！」

ひっ、ヤンキー

逆らってはいけないタイプのヤンキーだきっと

教室のドアの前でうろうろしていると声をかけられたので謝りながら端に異動して目を合わせないように下を向いていた

「……。お前、2年だよな
誰かに用でもあんの」

「え…、は、はい！翔先輩を」

「翔…？あぁ、」

聞かれたまま素直に答えるとヤンキーさんは私の手を引いてドアの前に連れてこられたと思ったら「真壁！呼んでる」と声をかけてくれた

「甲斐、ありがとう」

呼ばれた翔先輩がこっちに向かってくる
ヤンキーさんは甲斐先輩という名前らしい

「あの、甲斐…先輩ありがとうございます」

お礼を言うとこっちを人目見て自分の席にかけに行った

翔先輩の私物を謝って持ち帰ってしまったのでそれを無事返し終わる

その後他愛のない話をしながらふと窓の方に目だけ向けた

お互いの視線が交わる

朝の時とは違う。確かに今先輩と目が合う
気の所為なんかじゃない

ずっと見つめあっているのも恥ずかしくなってにこっと笑っておいた

すると女子が先輩に近づいてからそこから目が合う事はなかった

「A？」

「そ、ろそろ教室戻ります！では」

「あ、はい」

私も先輩と同じクラスだったら

親衛隊の人が先輩にぐいぐい近寄っているのを見て
胸が苦しくなった