1 ページ1
崇裕 side
……合鍵を返した日、俺は嫌でも自分の心の変化に気付いてもうた。
‘どんだけ俺がお前のこと思っとるか分からんやろ、’
そう思ってしまったんや、、。
拒否されて気付くなんて、ほんまダサいな、俺、、。
それからたまたま道でAを見つけた。
目が合わんように逸らされると、つい意地になってすれ違いざまに腕を掴んでもうた。
隣におった男がわざとらしく俺を煽って俺からAを離して。付き合うとるなんて丸わかりの嘘に話を合わせるA。
その場で手を引かへんかった自分をよう我慢したと褒めてやりたかった。
、、、みっともないな…。
俺、嫉妬してんねや。
……子どもみたいに追っかけ回して無理やり部屋に行って。
それでも俺は断られへん自信があったし、満足させる自信もあった。
実際に触れてまえばAは素直に俺を求めてくるし、……抱いとる時は俺に夢中やった。
俺を求める声、欲に縋りついた吐息、達する時の身体のしなりまで、全て俺だけのモノやって、独占欲を満たした。
事が済んでシャワーを浴びて冷静になると、
自分のしたことがどんだけガキで、どんだけAを傷付けたんやろと我に返った。
他の男の存在にムカついて、衝動的にAを抱いて。
ほんま、自分勝手にも程がある…。
…部屋に戻るとなんや少し気まずくて、居心地が悪い。
それもそうや、もう来んでって言われたんやったわ…。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 231人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ふう
| 作成日時：2022年6月30日 7時
