154話(仁王side) ページ7
跡部の声掛けでみんなが一斉に探し出す。
柳生「仁王くん、この辺りを探しましょう」
仁王「おん!」
俺も柳生と手分けして辺りを探す。
……絶対に見つけるぜよ、A
"立ち入り禁止"
そう書かれている看板が倒れているのが目に入る。
俺はなにかに導かれるように、その辺りを探すと窪みの下にうずくまっているAを見つける。
仁王「おった!A!」
幸村「仁王、いたんだね。跡部!」
俺の声を聞いた幸村がすぐ来てくれ、跡部を呼んでくれた。
跡部「仁王、下がってろ。ロープだ、樺地!」
樺地「ウス」
その後はあっという間だった。
樺地がロープを握りしめ窪みに降り、Aを担いで登ってきた。
"息はしてる"
誰かが言ったその言葉に心底安心する。
Aをそのまま医務室に運んでもらった。
あれよあれよという間に、跡部が医者を呼んでくれたりしていたようで、俺は医務室の前にしゃがみこんでいた。
財前「仁王さん」
仁王「財前か」
財前は俺の隣に座る。
財前「さっきはすんませんでした」
仁王「ん?気にしとらんよ」
きっと胸倉を掴んだことだろう。
今の今まで忘れてたくらいだ、全然気にしとらんかった。
財前「あの、"あいつ"はどうするんですか?」
財前がいう"あいつ"とは藍原菜々のことだろう。
仁王「あー幸村がどっか連れてったらしい。詳しくは知らんぜよ」
財前「幸村さんなら大丈夫っすね」
少し悲しそうな顔が晴れた気がした。
その言葉を最後に2人で無言になる。
跡部「なんだ、お前らこんなとこに」
医務室から医者と跡部が出てくる。
仁王「Aは?」
跡部「安心しろ、命に別状はねぇ。ただ、落ちた時に左足を捻挫しちまったらしい。念のためしばらくは安静にしといた方がいいな」
財前「そうですか……」
跡部「財前、俺様と一緒にみんなに報告しに行くぞ。仁王、ついててやれ」
俺は頷くと、医務室に入る。
医務室と言っても、簡単な手当てができる用具とベットが2つ。
窓際のベットにAはいた。
起こさないように静かに近寄ると、すーすーと小さく寝息が聞こえる。
きっと怖かったに違いない。
うっすら残る涙の跡がそれを物語る。
守ってやれなかった……
仁王「ごめんな……」
俺はAの頭を撫でながら、静かに涙を流した。
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がぜる(プロフ) - お話がとっても楽しくて一気に読んでしまいました!更新頑張ってください。 (2020年1月16日 23時) (レス) id: f0859f24e5 (このIDを非表示/違反報告)
れんか(プロフ) - はじめまして、とても面白いく、どんどん嵌ってしまうストーリーで一気に読んでしまいました!!ゆっくりでいいので更新待ってます!! (2019年11月30日 11時) (レス) id: f96c37469f (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - 私の好きな感じのストーリーで、どんどん引き込まれていきます。こんな素敵な作品に出会えて幸せです!更新頑張ってください! (2018年7月23日 21時) (レス) id: c49ca71d38 (このIDを非表示/違反報告)
MeTo(プロフ) - コメントありがとうございます!更新の励みになります。これからもよろしくお願いします! (2018年6月14日 19時) (レス) id: 060c0f3ab6 (このIDを非表示/違反報告)
杙凪 - とってもおもしろかったです!!続き待ってます!! (2018年6月13日 20時) (レス) id: 9692f283d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:MeTo | 作成日時:2018年6月1日 16時