ファンタジーライフ魔王軍！！ (ページ9)

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蝶ネクタイページ9

するとチョウチョがどこからともなくやってきた。おそらく、私を追ってきたのだろうが…

「Aさん！！」
『チョウチョ…？』

よ、よく入ってこれたね…

チョウチョは私が戸惑っているのが分かっていないのか可憐な声で「どうかなさったんですか？」と、問いかけた。
ヒラヒラと漂うチョウチョは、まるで気品溢れる真っ白なチョウネクタイのようで…
チョウネクタイのようで………

『そうだ！！』
私はチョウチョを見て、ぽんと手を打つ。
チョウチョは私の声にビクリと羽を震わせた。
と、そんなチョウチョに対して、私はある事を提案する。

『チョウチョ！！ちょっと！！チョウネクタイになってよ！！』

あーーーーややこしいっっ！！

『お願いできる？』

最初こそチョウチョは「あの」だの「えっと」などと戸惑っていたが、私の気に押されたのか、頷くように羽を大きく震わせる。

「分かりました!!……えいっ」

そういってチョウチョは私の服の胸元に揺れるようについた

『これぞホントのチョウネクタイ!!』
と、言いつつ半ばドヤ顔で王国兵士の前を通っていく。これには王国兵士も口出し出来なかったらしい。

というよりも、呆れて声も出せなかっただけかもしれないが…。

痛々しい物を見るかのような蔑みの視線を受けながら、私は謁見の間に繋がる扉を乱暴に開け放つ。

するとそこには………

「よくぞまいったAよ」

自身の頭程もある大きな王冠を被った、見た目は子供であるがこの国の立派な統領であるエリック王が玉座に腰掛けていた。