エピソード32 ページ34
「……何故私は銃が上手いと分かるのですか?
ヴィルさんにはそんな話一言も……」
ル「あの食堂での騒動を見たら、誰だってそう思うさ。あの銃の早打ち、実にお見事だったよ」
"銃の早打ち"
その言葉を聞いて、思いあたる節は只1つ。
「…まさか…!!
貴方、昼間のを見ていたのですか!?」
ル「ウィ!」
ルークさんは嬉しそうに答えた。
ル「私は全て見ていたよ、リトル・プリンセス。
あれは、麗かな日差しの中、いつものように大食堂でランチを取ろうとした時、君達がとある生徒達に喧嘩を売られている所を見かけたんだ。
一色触発の事態に私が注意しようと近寄ったら、なんと君は手元に銃を召喚し、あの先輩生徒のお腹目掛けて撃ったのを目撃してしまったのさ!」
「………」
私は固唾を飲見込みながら、目の前にいる彼を睨んだ。
…全て、この人の言う通り。
あの時、私は異空間の部屋から輪ゴム銃を出して、喧嘩を仕掛けてきた生徒さんの1人を腰元から撃った。
まさか、あれを見ていた者がいたなんて……!!
ル「いやぁ、あれは一瞬の事だったよ!目線を君に反らした後視線を戻したら、君の手元に銃は無かったからね。
しかし、戦う兵士の如く威風堂々とした姿が見れて、私は満足さ!」
「……そう、ですか…」
ル「それから、あの銃はどうやらゴム銃のようだね?」
っ!?
「……何故、そう思うのですか?」
どうして……銃弾は、食堂を出る前にコッソリ回収したはずなのに!
ル「簡単な推理だよ。
あの生徒が倒れる直前、小さく弾けるような音が聞こえたんだ。
あの音は殺傷能力が無い単なるゴム銃の音だろう?昔聞いた事があるから、すぐに分かったよ」
「………そうですか」
この人、太宰さん並みに観察力が鋭い……
ル「どうかそんな怖い顔をしないでおくれ、
私は君にとても感動しているのさ!
狙いを外さずに銃を撃つその姿は、まさに暗殺者!実に愛しいよ、リトルアサシン!小さな花にも毒が隠されているのだね!」
……
「……お褒めの言葉、ありがとうございます。
では、私はこれで失礼します」
内心を悟られないように軽く笑って、私はその人から距離を取ろうとした。
しかしそれは叶わず、私はルークさんに腕を掴まれ壁に追い詰められてしまう。
「ちょ、離して下さ…!」
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布教する猫(プロフ) - すみません!すぐ訂正します! (2021年7月11日 10時) (レス) id: 0899319726 (このIDを非表示/違反報告)
布教する猫(プロフ) - ご指摘ありがとうございます!m(_ _)m (2021年7月11日 10時) (レス) id: 0899319726 (このIDを非表示/違反報告)
ルーい - なのすみません。エピソード13のエースが言ってるの頃で、バラは、赤でも良くね?の所は白でも良くね?の間違いではないでしょうか?間違っていたらすいません。 (2021年7月11日 10時) (レス) id: 2ce8842d2e (このIDを非表示/違反報告)
布教する猫(プロフ) - ありがとうございます!!m(_ _)m (2021年3月21日 13時) (レス) id: 0899319726 (このIDを非表示/違反報告)
梔子(プロフ) - めちゃくちゃいつもおもしろいです^ - ^ (2021年3月21日 13時) (レス) id: 7d4fe6920f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:布教する猫 | 作者ホームページ:nhatev-hdfs yue1
作成日時:2021年1月10日 20時