売 ら れ る 娘 。【TH】

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「この住所の人が買ってくれたから ここに行ってね。」









私の目の前のおじさんは、


だらしなく伸びているヒゲを触りながらそう言う。









『……はい、』









「いやぁ、君のおかげで3000円手に入れられたよ‼買値は1000円だったのに。」









『そうですか。』









「また欲しくなったら買うから‼じゃ、行ってらっしゃい。」



　
　






　









バタンと玄関のドアを閉められて 寒い中街を歩く。









今から行く 私を買った買い主さんは 私を3000円で買ったらしい。


一体、ドコでやり取りされているんだろう……









　


『いや、私には関係ないか。』

　









私は









明日も 明後日も









その次の日も









　









ただ売られるだけなんだから。

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