ショートストーリー (ページ17)

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出掛けようと言われたら予定が入ってる、とか

挨拶が素っ気ない、とか

そんな小さな引きを続けて行った

正直効果を感じない

これでいいのかなって思い始めた時だった

｢Aっ！｣

放課後、一人で歩いていたら呼び止められた

｢廉くん？｣

｢むっちゃ、探した……｣

｢そんな急いで、なんかあった？｣

｢そ、そうやなくて、話したいことあって｣

なんて言われて少し焦る

何を言われるか、

少し怖くなる自分がいた

｢んっ……｣

なんて思ったのも一瞬

私は廉くんに抱き締められてた

｢俺、なんかした？｣

｢え？｣

｢最近、冷たい｣

まるで割れ物を包むかのように優しく、でも強く抱き締められる

｢…………｣

効果、あった……？

｢そう……？｣

「そんな態度とられると、オレきついわ……」

消えそうな声に、ちょっとだけ、申し訳ないことしたなと感じる

｢嫌なとこあるなら、直すから、お願い｣

｢嫌なとこなんてない、けど……｣

｢けど？｣

｢……廉くんが私の事好きっていうのが、まだ理解できてなくて｣

｢俺の、愛情表現不足？｣

｢……ちょっと、寂しかった｣

｢そか、ごめんな｣

身体を話して少し屈んで目を合わせてくれる

こうしてちゃんと目合わせるの、久しぶりだな