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「それで涼介、かなりショックを
受けちゃったみたいで。」
慧「あらそうなの?」
光「山田すげぇ必死じゃん。」
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あのときの涼介はとにかく大変だった。
ひなたの言葉に肩をプルプル震わせて、半べそかいて。
.
確かに、伊野尾先輩や八乙女先輩はひなたが生まれてから
裕翔くんや知念くんより会いに来てくれる頻度は多くて、
よく遊んでくれたりもしたしひなたも懐いてくれていたから、
そう思うのも仕方ないかもしれないけれど…
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涼介「ひなたは伊野尾ちゃんじゃなくて
りょーちゃんと結婚するもんねー?」
慧「目がマジだ。」
.
伊野尾先輩がチラリと涼介を見る。
一瞬口元を隠して可笑しそうに笑った伊野尾先輩は
んんっと、引き締めて、小さなひなたの手を取った。
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慧「ひなちゃん、俺と結婚するの?」
「うん、する!」
慧「じゃあ俺のお姫様になるー?」
「なる!」
慧「ふふ、じゃあ15年後に改めて俺からプロポーズを…」
涼介「おいおい、ちょい待て!」
.
瞬時に伊野尾先輩から遠のき、
ひなたを地面に下ろす涼介。
そして、目線を合わせるようにしゃがみ込み、
すごい形相でひなたに詰め寄る。
.
涼介「いい?ひなた。恋愛は15年、結婚は20年早い。
伊野尾ちゃんからプロポーズされても断りなさい。」
「んぅ?」
涼介「あとさぁ、お願いだから前みたいに、
“大きくなったらりょうちゃんと結婚する”って言ってくんないかなぁ。」
「いやっ!」
涼介「い、いや!?」
.
ひなたがぷいっとそっぽ向いて、
ガーンと効果音が聞こえてきそうなくらい撃沈する涼介。
そんな様子を見ていた伊野尾先輩は
お腹押さえてケタケタ笑う。
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慧「でもびっくりした。ひなちゃん、山田のこと
“パパ”じゃなくて、“りょーちゃん”なんだ。」
「え?」
光「それ俺も思った。
てっきりパパ呼びかと思ってたのに。」
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愛(プロフ) - おはようございます♪何回見ても泣けるお話です(泣)続編見たいです★楽しみにしてます(•‿•) (6月17日 7時) (レス) @page49 id: 170da3309e (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - ぱんださん» お返事遅くなりすぎて申し訳ございません…!何度も読み返してくださりありがとうございます。作った者としてこれ以上無い褒め言葉です。マイペース更新になりますがよろしくお願いいたします。 (5月27日 22時) (レス) id: 9a2317564f (このIDを非表示/違反報告)
ぱんだ(プロフ) - 私はこの作品のファンとして毎度更新を楽しみにしていました。終盤は涙が止まらなくなることも多く、気づけばこの作品にのめり込み、何度も読み返しています。そして何度読んでも毎度号泣しています。今作も楽しく拝読しています。これからも陰ながら応援しています。 (2023年2月5日 7時) (レス) id: 399b55da19 (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - るん。さん» 嬉しいコメントありがとうございます!楽しんでいただけて嬉しいです。ちょうど今新作公開したので、お時間あればお越しください。 (2022年12月31日 18時) (レス) id: 9a2317564f (このIDを非表示/違反報告)
るん。 - 本当に本当に本当にお疲れ様でした。最初から最後までとても楽しく読ませて頂きました。小説の本を読んでるかのように読みやすく感情移入しやすかったです。1番好きな小説です!また新作できた際には拝見させていただきます! (2022年12月18日 11時) (レス) @page49 id: fde368863d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まりも | 作成日時:2022年10月8日 0時