308 ページ8
***
出来るだけゆっくりと、
出来るだけ低い声で言葉を紡いでいく。
そして、フッと口元を緩めて、
今度はゆきちゃんに視線を向けた。
.
「それにさっきも言った通り、私は両親に愛されてできた子ども。
あなたと違って。」
優雪「…っ、あなたいい加減に…」
「出来ないなんて事はないですよね?
たった今、認知したわけですし。」
.
私はグッとお腹に力を込めると、
無意識に溜め込んでいた息を言葉と共に吐き出した。
.
「それに、ここは白井財閥。
それぐらいのお金出せますよね…お父さん。」
「Aさん…」
.
おじさんが深く息をついた。
私は顔が崩れないように表情を作り続ける。
.
おじさんは席を立ち、
書斎から預金通帳を二冊と、紙面、判子を持ってきた。
そして、それらを私の前に突き出した。
.
「…今まできみのお母さんに渡していたけど
受け取ってもらったことはなかった…
なので、これは養育費に充ててください。
口座番号はきみの誕生日です…」
.
「どうも。」
.
通帳を開いて確認をする。
八千五百万円近くある…
.
「そして、これがこれからの生活費になります。
一千万円近くありますので使ってください…」
「えぇ。」
.
合計で約一億円…
十分すぎる大金だった。
***
1348人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まりも | 作成日時:2022年5月15日 21時