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出来るだけゆっくりと、

出来るだけ低い声で言葉を紡いでいく。










そして、フッと口元を緩めて、

今度はゆきちゃんに視線を向けた。









.










「それにさっきも言った通り、私は両親に愛されてできた子ども。

あなたと違って。」










優雪「…っ、あなたいい加減に…」









「出来ないなんて事はないですよね?

たった今、認知したわけですし。」









.









私はグッとお腹に力を込めると、

無意識に溜め込んでいた息を言葉と共に吐き出した。









.








「それに、ここは白井財閥。

それぐらいのお金出せますよね…お父さん。」








「Aさん…」








.








おじさんが深く息をついた。

私は顔が崩れないように表情を作り続ける。








.








おじさんは席を立ち、

書斎から預金通帳を二冊と、紙面、判子を持ってきた。








そして、それらを私の前に突き出した。









.









「…今まできみのお母さんに渡していたけど

受け取ってもらったことはなかった…








なので、これは養育費に充ててください。

口座番号はきみの誕生日です…」










.










「どうも。」









.









通帳を開いて確認をする。

八千五百万円近くある…










.








「そして、これがこれからの生活費になります。

一千万円近くありますので使ってください…」









「えぇ。」








.








合計で約一億円…

十分すぎる大金だった。









***

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作者名:まりも | 作成日時:2022年5月15日 21時

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