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“力になれなくて悪い”
目元を抑えて大ちゃんはポツリと呟いた。
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肩を落とし、唇を噛んで、
本気で落ち込んでるのが分かる。
なんか、そんな大ちゃんが弱々しくて
ちっちゃく見えて。
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涼介「はぁぁあ?」
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つい盛大な、は?が出てしまった。
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大貴「やまだ…?」
涼介「んなこと知らんわ。さっさと白井優雪と連絡取りやがれ。」
大貴「だから連絡取ってねぇって…それに取っても無駄だぞ?」
涼介「無駄かどうかは知らん。連絡なら今取ればいいじゃねぇか。」
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大貴「いや、あのさ?そういうのは順序ってものが…」
涼介「順序もクソもあるか。俺が取りたくても連絡知らねぇし早くしやがれ。」
大貴「おまっ、ほんとそういうとこB型だなぁ!」
涼介「はぁ?じゃあ大ちゃんだってそういうとこA型だわ!」
.
いけね。
売り言葉に買い言葉してる場合じゃなかった。
血液型なんてマジどうでもいい。
時間の無駄だ。
.
涼介「とにかくさっさと何か送れよ。」
大貴「何かってどんな風に?」
涼介「1月末、Aと会ってたか、って。」
大貴「唐突過ぎんだろ。」
涼介「いいから早よう。」
大貴「あーもう。はいはい…」
.
ゲンナリした顔で大ちゃんはスマホを取り出し
早打ちで文字を打っていく。
そして、これでいいかと俺に画面を確認させて
LINEを送った、その数秒後…
.
大貴「あ…」
涼介「ん?」
大貴「既読付いた。」
涼介「え、はやっ。」
大貴「返事きた。」
涼介「なんて!?」
.
スマホの画面を覗き込もうと、
これでもかというくらい前のめりになる。
可愛らしい猫のトプ画から吹き出した文章。
それは、たった一言だった。
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“知らない”
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作者名:まりも | 作成日時:2022年5月15日 21時