検索窓
今日:28 hit、昨日:2 hit、合計:40,568 hit

■331 ページ31

***







“力になれなくて悪い”

目元を抑えて大ちゃんはポツリと呟いた。








.










肩を落とし、唇を噛んで、

本気で落ち込んでるのが分かる。








なんか、そんな大ちゃんが弱々しくて

ちっちゃく見えて。










.










涼介「はぁぁあ?」









.









つい盛大な、は?が出てしまった。








.








大貴「やまだ…?」

涼介「んなこと知らんわ。さっさと白井優雪と連絡取りやがれ。」








大貴「だから連絡取ってねぇって…それに取っても無駄だぞ?」

涼介「無駄かどうかは知らん。連絡なら今取ればいいじゃねぇか。」








.










大貴「いや、あのさ?そういうのは順序ってものが…」

涼介「順序もクソもあるか。俺が取りたくても連絡知らねぇし早くしやがれ。」









大貴「おまっ、ほんとそういうとこB型だなぁ!」

涼介「はぁ?じゃあ大ちゃんだってそういうとこA型だわ!」








.









いけね。

売り言葉に買い言葉してる場合じゃなかった。








血液型なんてマジどうでもいい。

時間の無駄だ。









.








涼介「とにかくさっさと何か送れよ。」

大貴「何かってどんな風に?」








涼介「1月末、Aと会ってたか、って。」

大貴「唐突過ぎんだろ。」








涼介「いいから早よう。」

大貴「あーもう。はいはい…」








.








ゲンナリした顔で大ちゃんはスマホを取り出し

早打ちで文字を打っていく。









そして、これでいいかと俺に画面を確認させて

LINEを送った、その数秒後…








.








大貴「あ…」

涼介「ん?」








大貴「既読付いた。」

涼介「え、はやっ。」








大貴「返事きた。」

涼介「なんて!?」









.










スマホの画面を覗き込もうと、

これでもかというくらい前のめりになる。









可愛らしい猫のトプ画から吹き出した文章。

それは、たった一言だった。











.










“知らない”









***

■332→←■330



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (222 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1348人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:まりも | 作成日時:2022年5月15日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。